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名門靴店が考える、新春に買うべき靴10足。
【第8回】トリッカーズ
2018.01.19
1984年、「日本に知られていない海外の優れた靴を紹介するセレクトショップ」をコンセプトに創業したトレーディングポスト。以来、30年以上にわたり、洒落者(しゃれもの)の“足元“を支えつづけてきた。
そんなトレーディングポストを運営するプレステージシューズ マーケティング部の村井久哲さんに、いま買いたい靴を、ドレスシューズを中心にセレクトしていただいた。タイムレスな定番から、“いま”の気分を反映したモデルまで全10足。
第8回は、トリッカーズに別注をかけ、有名なカントリーブーツをベースにエレガントに生まれ変わったモデル。
トリッカーズといえば、フルブローグのヘビーデューティなカントリーブーツを思い浮かべる人が多いのでは? 靴好きはもちろん、セレクトショップやファッションブランドの別注モデルなどで、幅広い層に認知されているのが、これだ。
トリッカーズの創業は1829年。英国靴の聖地、ノーサンプトンに現存する最古のグッドイヤーウェルテッド工場であり、チャールズ皇太子のロイヤルワラント認定を受けている、由緒正しいブランドでもある。
「トリッカーズのカントリーブーツの人気は、相変わらず高いのですが、接客していると『トリッカーズをスーツで履きたい、でもスーツやフォーマルには合わない……』という声が、たくさん聞こえてきたのも、また事実です。そこで、カントリーブーツの雰囲気を残しながら、よりドレス寄りに仕上げたトレーディングポスト別注モデルが、これになります。
トレーディングポストのドレスラインである、デュークスコレクション用に2004年に開発した木型が採用されています。
カントリーブーツよりもボリューム感を抑えた、ほどよいラウンドトウのシルエットで、フロントは標準幅にしながら、ヒールからウエストまでを絞り込んであります。ソールはダブルレザーソールを踏襲し、同じ厚さで“らしさ”を残しながら、コバの張り出しは抑えています。
アイレットの部分から金属製のハトメリングをなくしたことで、よりスッキリとした表情になっています。
スーツ、ジャケット&パンツ、カジュアルまで、シーンを選ばず履けるエレガントなトリッカーズということで、好評をいただいていますね」
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
Photograph:Mitsugu Inada
Styling:Tomohiro Saitoh(GLOVE)
Text:Yasushi Matsuami