旅と暮らし
販売台数が浮き彫りにした、
輸入車ブランドの最新「神セブン」
2018.01.26
2017年の輸入車の新車登録台数(純輸入車、乗用車)は、30万5043台。日本メーカーが国外の拠点で生産し、日本に輸入する形で持ち込むモデルが2万8408台あり、乗用車の総数は33万3451台になる。しかし、一般的に、輸入車つまり外車は、前者となる(いずれのデータも、日本自動車輸入組合の1月11日付の発表資料による)。この純輸入車(乗用車)の2017年登録台数は、前年比3.7%の増加で、輸入車の人気傾向は続いている。
1996年に29万9409台と30万台に迫っていた純輸入車セールス(乗用車)。2009年には15万9143台へと落ち込んだが、翌年の2010年には上向いて18万0255台を達成した。以降、上昇を続け、2015年にやや前年を下回ったものの、2016年、2017年と続けて台数を伸ばしている。
2017年の純輸入車セールス(乗用車)は、史上初の30万台超え。これまでで最も多い登録台数を記録した。2017年の実績を、ブランド別ランキングで見ていくと、やはり欧州ブランドが目立つ。
■2017年輸入車ブランド別ベスト10(乗用車)
順位 ブランド 2017年累計台数(前年比)
1位 メルセデス・ベンツ 6万8215台 (101.2%)
2位 BMW 5万2527台 (103.9%)
3位 VW 4万9036台 (103.8%)
4位 アウディ 2万8336台 (99.4%)
5位 BMWミニ 2万5427台 (103.6%)
6位 ボルボ 1万5764台 (108.3%)
7位 ジープ 1万0101台 (107.6%)
8位 プジョー 8242台 (111.3%)
9位 ルノー 7119台 (134.2%)
10位 ポルシェ 6923台 (100.5%)
※日本自動車輸入組合の1月11日付の発表資料より作成
1位 メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツは、5年連続で販売台数を増やし、3年連続の首位、そして5年連続でプレミアムブランド No.1に輝いた。主力モデルのCクラスや、CLAなどのコンパクトモデルが堅調なうえ、上位モデルであるEクラスや、Sクラス、そしてSUVの各モデルが好調だったという。
2位 BMW
BMWは、前年比3.9%の増加。1月に5シリーズが、10月にSUVモデルのX3が、それぞれ新型に移行。1シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、4シリーズのマイナーチェンジも伸長に貢献しているという。このところ、同グループのミニも実によく売れていて、前年比で2015年が19.8%増、2016年が16.4%増、2017年は3.6%増だ。BMWとミニを合わせると7万7954台となり、自動車インポーターとして3年連続のトップとなる。
3位 フォルクスワーゲン
2017年に注目の結果を残したブランドのひとつは、3位のVWだ。排ガス不正問題で落ち込んだ販売台数が、2017年は前年比3.8%増の4万9036台を達成。2014年以来3年ぶりに前年を上回っている。SUVのティグアンがフルモデルチェンジを実施し、ゴルフのマイナーチェンジもあった。
ベスト10のうち、米国モデルとして唯一、ジープが7位にランクイン。そのほかはすべてが欧州ブランドで、ボルボは3年連続で前年比アップを記録している。2015年にXC90を、2017年にS90&V90のシリーズとXC60をリリースしたボルボは、2015年が1.8%アップ、2016年が7.7%アップ、2017年が8.3%アップで、前年比の伸び率そのものを拡大している。
上位7位までのブランドは、2016年と2017年でまったく同じ順位である。2015年はVWが2位だったが、7位までに入ったブランドは共通する。
いわば、この不動の上位7ブランドが、輸入車ブランドの最新「神セブン」。
2018年も、この「神セブン」から目が離せない一年になるはずだ。
※掲載のデータは日本自動車輸入組合の資料(速報値)より。
※写真は、実際の日本導入モデルと仕様が異なる場合があります。
Text:Haruhiko Ito(office cars)