腕時計
バーゼルワールド2018 レポート
オメガ
2018.04.18

年明け1月のSIHH(ジュネーブサロン)に続いて、バーゼルワールドがスイスで3月22日〜27日に開催された。1917年から始まった商品見本市をルーツとして、昨年に100周年を迎えた国際的な時計と宝飾の展示会。多彩な新作が数多く披露された。今年のトレンドは最後にまとめるとして、日本でも人気の高い有力ブランドから注目のモデルをピックアップしていく。
「シーマスター」の2コレクションがアニバーサリーを迎える
「初めて月に行った時計」で圧倒的な知名度を誇るオメガだが、第2次世界大戦時にはイギリス国防省に約11万本にも及ぶ防水性に優れた軍用時計を提供。このモデルをルーツとして1948年に発表された「シーマスター」が70周年を迎えた。「シーマスター ダイバー 300M」も誕生25周年となることから、「シーマスター」関連の新作が数多い。
このうち伝説的な人気を誇る「シーマスター ダイバー 300M」は25周年を契機として大幅にリニューアル。ケース径を41㎜から42㎜に拡大するだけでなく、逆回転防止機構付きベゼルをセラミック製に変更。そのダイビングスケール(分目盛)には18Kゴールドによるセラゴールドまたはホワイトエナメルを採用している。ダイヤルもセラミックになったほか、初代モデルに採用されて好評だった波模様もレーザー加工でより深く立体的になって復活している。ダイヤルカラーやダイビングスケールの素材、ベルトなどの組み合わせによって全14タイプがラインナップされている。

アニバーサリーモデルとしては、初代で使われていたレアメタルのタンタリウムをベゼルとブレスレットに導入した「シーマスター ダイバー 300M マスター クロノメーター チタン タンタリウム」が登場した。立体的なミニッツマーカーをダイビングスケールにした18Kセドナゴールド製の逆回転防止機構付きベゼルを装備。世界で2500本の限定だ。

「シーマスター」では、初代をイメージした「シーマスター 1948 マスター クロノメーター」が記念限定モデル。ドーム状の膨らみがあるボンベシェイプのシルバーオパーリンダイヤルに、クサビ形インデックスが特徴。スモールセコンドとセンターセコンドの2タイプがあり、それぞれ世界1948本となっている。

また、オメガは今年の冬季オリンピック平昌大会で通算28回もの公式タイムキーパーを務めたが、2年後の東京大会も含めて2032年まで継続する。70周年を迎えた「シーマスター」をベースとして各種の「オリンピック コレクション マスター クロノメーター」も追加。各色のメダルをモチーフとして、五層を重ねたエナメルのボンベシェイプダイヤルに18Kカノープスゴールド(オメガ独自開発のホワイトゴールド)、または18Kセドナゴールドケースなどの高級モデルもラインナップされている。
なお、いずれもスイス連邦計量・認定局(METAS)による8項目の検査をクリアしたマスター クロノメーターの認証付きだ。
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問/オメガお客様センター☎03-5952-4400
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。