お酒
チリが生んだ傑作、アコンカグア・アルト カベルネ・ソーヴィニヨン
ほどよいタンニンはステーキに最高。
[今週の家飲みワイン]
2018.04.27
「カベルネ・ソーヴィニヨン100%のこちらは、今回の4本のなかでは果実感は控えめですが、ワインとしてのバランスがよく、食事と楽しむのであれば、いちばんおすすめです」と大橋さん。確かにほどよく樽がきいた凝縮感のある、スパイシーな味わいは、肉汁したたるステーキに合わせたくなる。
「アコンカグアはチリのなかでも銘醸ワインの産地で、チリの有名なワインはほぼ、このエリアで造られています。山に沿ってワイナリーが連なり、日照時間がとても長く、風も強いので、果実分の凝縮したぶどうができます。オーナーがカベルネ・ソーヴィニヨンに合う土地を探して植樹しただけあり、実にクオリティーの高いカベルネ・ソーヴィニヨンが収獲できる土地なのです。また、標高が高く風も強いので、農薬を使う必要がないのも利点。だからこそ、テロワールを尊重したワイン造りができるのです」と大橋さん。
ブラックベリーやカシスなどの黒い果実の風味に加え、黒こしょうや甘草などスパイシーな成分がほどよく混じり合った、大地のエネルギーを感じさせる味わいも、アコンカグアというテロワールの賜物。気候がとても安定しているので、ヴィンテージの差がなく、大量生産ができるので、品質に比して、リーズナブルなワインが造れるのだそう。2004年にはマルゴー、ラトゥール、サッシカイアなど、並みいる銘醸ワインを抑えて優勝したというのだから、世界的にも実に評価の高いワインなのである。このクオリティーで4000円台は実にお値打ちだ。ちょっと上等な牛肉を買った日などに開けたい一本。100%のカベルネ・ソーヴィニヨンが、料理のできをぐいと引き上げてくれるのを実感出来るに違いない。
Photograph:Makiko Doi