腕時計
タグ・ホイヤーは、腕時計の革命者か!?
[男の服飾モノ語り]
2018.05.17
「今年のバーゼルはどうでした?」。この時期になると、頻繁に問われる。3月に開催された世界最大級の時計宝飾展示会「バーゼルワールド」は、時計業界関係者のみならず、多くの人が注目している。
今年のバーゼル会場で、タグ・ホイヤーのブースの前に人だかりができていた。ディスプレーに組み込まれたタブレット端末を触ると、腕時計がクルックルッと次々に現れる展示。その仕掛けに、来場者が熱中していたのだ。
タグ・ホイヤーがインテル、グーグルとタッグを組んでスマートウォッチをつくると発表したのは、3年前のバーゼル。発売直前だったアップルウォッチを迎え撃つスイス陣営の旗手として、名乗りを上げたのである。
今年の1月には、「コネクテッドモジュラー41」を発表した。既存モデルから4ミリ小さくなったケース径41ミリで、腕の太くない男性や女性にも人気が高い。
タグ・ホイヤーといえば、「カレラ」「モナコ」といったモータースポーツにゆかりの深いモデルを数多く持つスイスを代表するスポーツウォッチ。これが、私を含めた往年のファンの共通認識。
しかし、このブランドの進化は、愛好家たちの認識よりも格段にスピードが速い。
4月にオープンした「タグ・ホイヤー銀座ブティック」に足を踏み入れると、ナイトクラブとも見まがうポップな内装。そして、バーゼルで注目された時計が入れ替わるディスプレーが、早くも実装されている。さらにそのタブレットは、ネットで購入するeコマースとも連動している。
腕時計の革命、ブランドストアの革命、売り方の革命。タグ・ホイヤーとは、そういうブランドである。ますます目が離せそうにない。
店舗情報
タグ・ホイヤー 銀座 ブティック
住所:東京都中央区銀座3-5-5
電話番号:03-4510-2939
掲載した商品はすべて税抜き価格です。
プロフィル
山本晃弘(やまもと てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞出版の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションとライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツの制作を行う。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。初の執筆書籍「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」を、3月16日に刊行した。