紳士の雑学

「スニーカー通勤」元年!
この春、スーツが変わる。
[男の服飾モノ語り]

2018.03.15

写真・図版 山本 晃弘

クールビズが施行されたのは2005年、小池百合子現東京都知事が環境大臣を務めていたときである。10年以上の歳月を経て、日本のビジネスウエア事情はずいぶんと様変わりした。夏スーツにネクタイを締めるか否かだけにとどまらず、ビジネスウエアであっても「着心地の快適さ」が重視されるようになってきたのだ。

そして、2018年の春。今シーズンは、ビジネスウエアがまた大きく変わることは間違いない。歩きやすい服装での通勤を促す「ファン+ウォークプロジェクト」がスタートするからだ。鈴木大地スポーツ庁長官は、「みんなが体を動かす健康な国を目指す」と宣言。記者会見の際に鈴木長官が着ていたスーツ+スニーカーのコーディネートが話題になった。

写真・図版
千鳥格子柄のセットアップは、ウール×リネンの伸縮性に優れた生地を使用。ジャケットは裏地を省いた軽やかな仕立て。このスポーティーさなら、白レザーのスニーカーがしっくりと合う。シューズ¥18,000、ジャケット¥45,000、パンツ¥24,000/すべてエストネーション、シャツ¥32,000/イートウツ(すべてエストネーション03-5159-7800)、バッグ¥110,000/フェリージ(フェリージ 青山店 03-3498-6912)
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    【Q1.あなたはスニーカーで通勤することがありますか?】
    まだまだ、これからのビジネススタイルだと考えていたスニーカー通勤だが、アンケートでは半数以上が経験ありと回答。カジュアルフライデーのような特別な日に限るのかもしれないが、予想を大きく上回る。これから、スポーツ庁の推進活動の影響も出はじめ、ますます、増えるであろうことは確かだ。
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    【Q2.あなたは。仕事相手がスニーカーを履いていたら不快に思いますか?】
    仕事着は、独りよがりでは意味をなさない。社内外の仕事に関わる人からどのように見られているかは、重大な関心事である。このアンケートで重要なのは「着こなしによる」31.0%の回答だ。スニーカーを履いていても構わないが、着こなしがスマートでなければ不快ということ。新ルールで学ぶべし。

ビジネスウエアのカジュアル化が進んではいるが、通勤時にスニーカーを履いている人は半数を超える程度(グラフ1)。そして、いきなりスニーカー通勤を推奨されても、クールビズが始まったころのように間違った着こなしが世間にあふれてしまいそうな気がする。それを予想して、「仕事相手がスニーカーを履いていたら不快に思うか?」と問うと、「着こなしによる」「シチュエーションによる」という回答が半数近くを占めている(グラフ2参照)。

そこでアエラスタイルマガジンでは、「2018年度版の仕事着の新ルール」を考えてみた。まず、スニーカーを合わせるときには、セットアップスーツを選びたい。素材やフォルムの軽快さが、これまでのスーツと明らかに違うのがわかるはずだ。春夏らしくベージュを選んでみるのもよし。白シャツと白スニーカーは、ベージュとのグラデーションで相性がいい。パンツの丈を若干短くするのも、着こなしのポイント。

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トゥミのハリソンコレクションに新たに仲間入りしたバックパック。しなやかなナイロンを用い、PC収納にも対応。ビジネスシーンにマッチするスタイル。ジャージー素材のセットアップに合わせて。バッグ¥56,000/トゥミ(トゥミ・カスタマーセンター 0120-006-267)、ジャケット¥17,000、パンツ¥11,000/ともにアーバンリサーチ(アーバンリサーチ 神南店 03-6455-1971)、眼鏡¥38,000/フォーナインズ(フォーナインズ 03-5797-2249)
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    【Q3.あなたは、いま以上に楽な着心地のビジネススタイルに変えたいと思いますか?】
    ビジネススタイルにいま以上の楽な着心地を求めるのは72.6%。その気持ちが、スニーカーやバックパクを活用した通勤スタイルに向かわせている。一方で、楽さよりも品格や威厳を必要とする層もある。ビジネススタイルはひとつに限定することなく、シチュエーションによって使い分けるのが望ましい。
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    【Q4.あなたはバックパックで通勤したいと思うことがありますか?】
    バックパックの活用は増加傾向にあると思われるが、バックパックで通勤したいと思わない人が62.8%と多勢を占める。これは、利便性よりも従来型のファッション性を重視することの表れと推察できる。スーツを替えなければ、バックパックは不釣り合いになることが多い。そこを突き詰めることが必要だ。

通勤時のバッグ選びにも、新ルールが生まれている。ウォーキングでの通勤で両手を自由にするために、バックパックを活用したい。自転車通勤のビジネスマンなどには、すでにバックパックの人気は浸透しはじめている。それがスニーカー通勤の実施で、今年の春は一気に広がりそうな勢いが感じられる(グラフ3、4参照)。ただし、アウトドアっぽく見えないために選ぶべきバックパックの条件がある。ブラック、ネイビーといったカラーのもの。書類を入れやすいスクエアなデザインのもの。こういったバックパックを選んでおけば、ビジネスでも恥をかくことはない。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

<<スーツのポケットに入れていいのは、チーフだけ。

  タグ・ホイヤーは、腕時計の革命者か!?>>

Photograph:Masaya Takagi
Styling:Masayuki Sakurai, Akihiro Mizumoto
Hair & Make-up:Masayuki(The VOICE)
Edit:Kenji Washio

プロフィル
山本晃弘(やまもと・てるひろ)
AERA STYLE MAGAZINE編集長
「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年に朝日新聞出版の設立に参加。同年、編集長として「アエラスタイルマガジン」をスタートさせる。新聞やWEBなどでファッションとライフスタイルに関するコラムを執筆する傍ら、幅広いブランドのカタログや動画コンテンツの制作を行う。トークイベントで、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。初の執筆書籍「仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。」を、3月16日に刊行する。

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