旅と暮らし
夏場にうれしい、アイスティーの楽しみ
2018.06.13
第1回目でティーの定義を教えていただいた、世界各地のティーブランドを紹介するTEAWELLの代表、北条史子さんに、これからの季節にぴったりの、アイスティーについて伺った。
「アイスティーは入れ方によって、水色や味わいが変わります。ダージリンなど、茶葉によっては、タンニンとカフェインが結合して、低温になると白濁現象が起きてしまうんです。アイスティーには、アールグレイやキャンディなど、渋みが少なく、さわやかな風味の茶葉が向いています。『LOVE TEA』ならホワイトローズ&ゴジベリー、フレンチアールグレイ、カフェインフリー・チャイ、スキングロウなどもおすすめです」
そんな北条さんが絶賛するアイスティーの入れ方は、愛知県尾張旭市の紅茶専門店「TEAS Liyn-an(リンアン)」発案によるもの。
「茶葉の量を少なくして、その代わりに長時間抽出するという入れ方。本当に簡単に、きれいな水色のアイスティーができます。どんな茶葉にも応用できて、失敗知らず。この入れ方に出合ってから、アイスティーも楽しむようになりました」
早速、ティーバッグを使ったアイスティーのおいしい入れ方(1L分)を教えてもらった。
①350mlサイズ程度のティーポットを準備する。熱湯を入れてしっかり温めておく。ティーバッグ3〜4個(8gの茶葉)を入れ、再び熱湯を注ぎ入れる。
「ポットを温めておくのは、茶葉をよく開かせるため。1L作るのに対して、茶葉は8gと覚えておけばいいです。ティーバッグは2gのものが多いので、4パック使いました。リーフティーの場合は、茶こしが必要なので、ティーバッグのほうが手軽です」
②茶葉を抽出する。細かい茶葉は15分、大きい茶葉は20分くらいと、サイズによって調節する。
「この15〜20分とういう抽出時間がポイント。お茶は一般的に表面積が小さいほうが濃く出るので、細かい茶葉の方が抽出時間が短いんです」
③1Lサイズにピッチャーを準備し、7割程度氷を入れておく。そのピッチャーに②の抽出したティーを注ぎ入れる。(この時点では氷はすべて溶けず、1Lにはならない)
④再度、ティーポットの茶葉がひたひたになる程度に熱湯を入れ、すぐにピッチャーに移す。
「1回目で茶葉は十分に抽出されているので、2回目以降はゆすいで旨みを最後まで出すようなイメージ。はちみつなどで甘みをつける場合は、冷たくなってから入れると溶けきらないので、熱い段階で入れてください」
⑤氷が完全に溶け、ピッチャーの紅茶が1Lになるまで、4の作業を繰り返して完成。飲むときはグラスに氷を入れて、ティーを注ぎ入れる。完成したティーは常温で1日程度保存可能。
― TIPS ペットボトルに入れるだけ。スパークリングティー ―
より簡単なアイスティーの作り方、それはペットボトルの炭酸水にティーバッグを1つ入れ、1~2時間ほど冷蔵庫に入れておくだけというもの。
「お湯で抽出するよりも軽い味わいで、炭酸がまろやかになり、飲みやすくなります。お好みのティーバッグで、ブラックティーやハーブティーでもOK。香りの強い茶葉のティーバッグを使うと、より風味豊かなティーになります。飲むときにはティーバッグを取り出して。海外で飲みたいものがないときや、入浴中の水分補給にもおすすめです」
第3回は上級者向けのチャイの入れ方を紹介する。
Photograph:Hiroyuki Matsuzaki(INTO THE LIGHT)
Text:Mayumi Akagi