旅と暮らし
貴族の国のワゴン。
ジャガーXFスポーツブレイクに週末の夢を載せる
2018.07.11
ジャガー「XF」の2代目が、日本にお目見えしたのは2015年。ボディーの75%にアルミニウムを使用した軽量モノコックボディーなど、デザインとともにクルマの本質に磨きをかけてのデビューとなった。今回紹介したいのは、そのワゴンである「XFスポーツブレイク」。2017年11月に日本で受注が始まったニューカマーである。
サルーンのイメージが強いジャガー。日本では、Xタイプのエステートモデルなどごく一部のモデルにのみワゴンをラインナップしてきた。ある意味、ワゴンは希少な存在。それだけに個性を演出しやすい。
今回、試乗のチャンスを得て、その走りを味わった。ジャガーのピュアスポーツカー「Fタイプ」を思わせるボンネットのパワーバルジや、フロントのオーバーハングを切り詰めたルックスは、とてもスポーティーなイメージだ。
現在のジャガーのラインナップリストには、スポーティーな外観と走りが魅力のモデルが連なるが、「XF」もそのとおりだ。ボディーサイズは全長4965mm、全幅1880mm、全高1495mmで、堂々とした大きさ。メルセデス・ベンツのEクラスワゴン、BMWの5シリーズワゴンとほぼオーバーラップするディメンションだ。
そのボディーサイズどおりインテリアはスペースに余裕があふれる。やはりこのクラスのモデルになると、その室内空間の広さに不満を感じない。縦方向にも横方向にもゆとりに満ちた空間を実現している。
走りはじめると一転、いい意味で期待を裏切られる。風格あるプレミアムなボディーから想像するラグジュアリーなイメージだけでなく、軽快な走りさえも見せる。
搭載エンジンには、2リッターの直列4気筒DOHCターボのガソリンユニット(250ps)と、2リッターの直列4気筒ディーゼルターボユニット(180ps)を用意するXFスポーツブレイク。今回、試乗したのはガソリンモデルで、低速域からしっかりトルクがあふれる。37.2kg-m(365Nm)/1300〜1500rpmの最大トルクの数値どおり、実に扱いやすく、大きなボディーを力強く引っ張る。トルク感に満ちた走りは格別だ。
ラゲッジスペースは、容量たっぷり。通常時は565リットルのキャパシティー。リアシートを畳めば最大1700リットルとなるスペースだ。これは、テニスボールで6500個分になる容量という。また、プレミアムワゴンらしく、セルフレベリング機能付きリアエアサスペンションという高性能メカニズムを搭載している。これは、エアスプリングに自動的に空気を送り込み、積載した荷物の重さに合わせてリアの車高をアップ。シャシーを水平に保つメカニズムだ。
ディーゼルモデルで722万円、ガソリンモデルで756万円と、プライスタグも魅力的だ。さらに、オプションパーツの装着で、より有意義な休日を迎えられるようになる。荷物の積みやすさはステーションワゴンの真骨頂。ラゲッジスペースには、休日の楽しさと、休日を迎えるまでのワクワクまでも積み込める。
家族とでもパートナーとでも、休日を楽しむ夢を描けるワゴン。ジャガーXFスポーツブレイクは、英国王室御用達ブランドの気品だけでなく、スポーティーな走りと、日々の満足をもたらしてくれそうだ。
※外観写真と走行写真は、実際の日本導入モデルと一部の仕様が異なります。
※日本仕様は全車、右ハンドル。
※写真はオプション装着車。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:ジャガーXFスポーツブレイクPrestige
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4965×1880×1495mm
ホイールベース:2960mm
駆動方式:FR
エンジン:2リッター直列4気筒DOHC16Vターボ
トランスミッション:8速AT
エンジン最高出力:250ps(184kW)/5500rpm
エンジン最大トルク:37.2kg-m(365N-m)/1300〜1500rpm
タイヤ:245/45R18
車両本体価格(税込):¥7,560,000
Text:Haruhiko Ito (office cars)