週末の過ごし方

ギリシャワインに対する考えを覆す、熟成の赤
ドメーヌ・エコノム/シーティア
[今週の家飲みワイン]

2018.08.24

写真・図版 小松宏子

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「NYでギリシャワインがブームになりはじめ、少しずつ盛り上がっていったときに、インポーターによってこの一本紹介されると、ソムリエ界に激震が走りました。たったひとつの存在が、ギリシャワインに対する考え方を変えてしまったのです。まさに“ゲームチェンジャー”とも言える一本でした」と梁世柱さんは言う。

ギリシャワインを語るうえで、はずせないドメーヌ・エコノム、果たして何がそれほどにすごかったのであろうか。「長期熟成していながら、まず、価格が非常にリーズナブル。そしてふくよかにして心地よい酸のあるエレガントな味わい、とにかく別格でした。味的にはイタリアのバローロやバルバレスコにも似ています。つまりぶどうで言うと、ネッビオーロ種ですが、こちらはリアティコという地ぶどうを主に使用しています。ネッビオーロ種に比べると、やや、熟成が早いのですが、20年の時を経て、これだけいい状態に円熟しているワインはなかなかない。仮にバローロやバルバレスコでこの円熟味を楽しめるとなると、すごい値段になってしまいます。これが、ギリシャの古典的なワインの本当の力量なんだと、ソムリエたちが皆、驚いたということです」とその理由を説明してくれた。

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ドメーヌ・エコノムはクレタ島の東端に位置する家族経営のワイナリーだ。クレタ島は、ほぼすべての家庭がぶどう畑やオリーブ畑を持っている土地柄。当主のヤニス・エコノム氏も例外ではなく、イタリアやドイツ、フランスでワイン造りの経験を積んだのち、家族ゆかりの地であるシーティアで、1994年からワイン造りを始めた。標高600mの山の上の開けた大地で、強く吹く風のために、夏でも暑くなりすぎず、環境をそのまま生かしたぶどう造りができる恵まれた場所である。

ワイナリーでの作業もとてもシンプルで、醸造から瓶詰めまで、亜硫酸の添加はゼロ。まさに昔ながらのワイン造りを実践している。それでいて、これほどまでのワインになり得るということは、ひとえに、テロワールとぶどうのポテンシャル、そしてそれを素直に生かす、本来のワイン造りというものが、いかに素晴らしいかということにほかならない。さすが、世界最古のワイン産地のひとつである。

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「熟成した複雑で豊かな味を十分に楽しみたいので、きのこのソースや黒トリュフのソースを添えた牛肉やジビエのローストなどにぴったりです。バルサミコを使ったような甘みと酸味が調和した煮込みなどにもよいでしょう。日本料理であれば、とろけるように煮た豚の角煮などにもよく合います。価格的にはこれまでのギリシャのものに比べると¥6,000台と高めですが、ワイン会に持って行ったらヒーローになれるワインですよ」と梁さん。機会があれば、ぜひ、一度試してみたい。

<<ドメーヌ・ダラマラ/ ナウサ ダラマラ [2015]

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Photograph:Makiko Doi

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