旅と暮らし
熟成のメルセデス・ベンツCクラス。
マストバイの魅力を持つか?
2018.10.09
良い品や本物というものは、人を幸せにする。
クルマの本物を挙げれば、メルセデスの各モデルは、そのひとつだ。
AクラスからSクラスまで、魅力あふれるモデルが存在し、そのなかでCクラスは、リーズナブルなプライスを備え、多くの人気を集めている。
振り返ってみると、Cクラスには大規模なマイナーチェンジでその魅力を格段に高める傾向がある。例えば、2000年9月デビューの先々代(203系)は、2004年の6月にヘッドランプカバーがクリア仕様になり、足回りも変更。そして、2007年6月デビューの先代モデル(204系)では、2010年2月に人気のC200にも直噴ターボエンジンが導入され、爆発的なヒットを呼んだ。
現在のCクラスは、2014年7月の上陸。その現行Cクラスが先日、マイナーチェンジを受けて、魅力を大きく引き上げた。セダン、ワゴン、クーぺ、カブリオレの4モデルの改良モデルが同時にデビューしたのも、大きな話題を集めている。
LEDを多用したヘッドライトや、セダンではCクラスの「C」の文字をモチーフにしたデザインに内部が変更されたテールランプなど、エクステリア各部を変更。インテリアでは、10.25インチの「ワイドディスプレイ」や12.3インチの「コックピットディスプレイ」を装備した。また、ステアリングは、上位モデルのSクラスと同じ新世代デザインとなっている。
「C200アバンギャルド」には新開発の1.5リッター直列4気筒ターボエンジンと「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」「48V電気システム」などの新技術で構成されるマイルドハイブリッドシステムを採用。「C220dアバンギャルド」にはEクラスにも搭載の最新の2リッター直列4気筒BlueTECエンジン(ディーゼルターボ)が搭載された。
エクステリアから、インテリア、パワートレインまで各部で磨き込み、魅力を高めたCクラス。変更部品が実に約6500点にも上るという大掛かりなマイナーチェンジとなっている。それらをここで紹介する余裕はないが、実際に、その姿を目の当たりにすれば、今回の改良の意義の大きさが実感できるだろう。
リファインによって極められていく品質に対して、「熟成」という言葉を使うことがある。今回もその表現がふさわしく、クルマ作りの匠がひとつのものを磨き込んだ印象だ。
実は、先々代、先代と2代のCクラスにおいて、マイチェン後モデルを実際に購入したが、非常に満足のいく時間を過ごせた。走りの質の良さ、安心感、経年変化の少ない計算された品質などメルセデスの良さに加えて、改良によってそれぞれのクオリティーがよりレベルアップされ、魅力を極めた状態でCクラスを堪能できたからだ。
良いものがもたらす幸福感。
メルセデスの各車からは、そのハピネスが享受されることを、マイチェン版Cクラスでまたも認識させられそうだ。
※実際の日本導入モデルと一部の仕様が異なります。
※日本仕様は、右ハンドル。
※価格はすべて消費税込みのものです。
<データ>
車名:C220d ステーションワゴン アバンギャルド
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4702×1810×1457mm
ホイールベース:2840mm
駆動方式:FR
エンジン:2リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボ
トランスミッション:9速AT
エンジン最高出力:194ps(143kW)/3800rpm
エンジン最大トルク:40.8kg-m(400Nm)/1600〜2800rpm
タイヤ:前225/50R17、後225/50R17
車両本体価格(税込):¥6,020,000
※スペックは欧州参考値
Photograph:Daimler AG
Text:Haruhiko Ito (office cars)