紳士の雑学
シャツは自宅洗い派? それともクリーニング派?
2018.12.05
スーツはビジネスマンのユニフォームにして戦闘服。安いものを1,2シーズンで使い捨てにするより、少々値が張ってもいい素材の品を手入れしながら着続けるほうが結局は経済的。ちょっとの手間をかけるだけで、スーツはぐんと長持ちします。正しいケア、やってはいけないこと基本と心得を紹介します。
シャツはクリーニングに出すべき? 適切な頻度は?
ビジネスマンであれば毎日着るシャツ。これは家の洗濯機で洗いますか。それともクリーニング店に持っていきますか。こだわる人であれば自宅で洗濯、アイロンがけも自分で……ということもありますが、時間のないビジネスマンであれば、多少お金はかかってもクリーニングでという人が多いでしょう。
クリーニングのメリットはなんでしょう?ひとつはしつこい汚れをプロの技術できれいにすること。襟や袖の黄ばみ、食べ物のシミなどは、油と脂によるものだけになかなか落ちません。こんな時はプロに任せたほうが安心。またプレスによる整然とした畳み方も理由のひとつ。しわのないシャツのきれいさは格別です。
さらに難しい素材にも対応できることも大きいでしょう。麻やウール、シルクが入ったものだと家庭での洗濯が難しいですから、プロにおまかせするのが無難です。ただし、クリーニングの石油系溶剤は生地が傷みやすい難点も。基本は自宅で、落ちにくい汚れや水洗いが難しい素材の対処はクリーニングと併用するのが理想です。
シャツのクリーニングにかかる費用
シャツのクリーニング料金はたいていいちばん安いですが、その金額は店によってさまざま。低価格のチェーン店で200円以下、高級店で350~400円といったところです。またハンガーにかけるか、畳みにするかで料金が異なる場合もあります。出す頻度、枚数によってはひと月で数千円になります。
シャツをクリーニングに出すときの注意点
出す前に洗濯表示をチェックし、通常の汚れのほか、特殊なシミなどがないかをチェック。特に落としたい汚れがあれば、その種類何が原因の汚れかも忘れずに伝えてください。また、穴やほつれなどのダメージも確認しておきましょう。また取れそうなボタンがあれば、事前に外しておくほうが無難です。汚れたらなるべく早めに持っていくようにしましょう。通常の汗による汚れでも、3日以上過ぎると落ちにくくなると言われます。
クリーニングを出す際、糊を使うかどうか聞かれることがあります。糊づけしたほうが汚れがつきにくく、パリっと仕上がります。形がキープされるので、保管の際にも型崩れしにくいメリットも。反面、肌触りの良さが失われたり、カッチリし過ぎたりするのが苦手な人もいるはず。店舗によっては「糊を少なめに」というオーダーに応えてくれるところもあります。
クリーニング後の保管が大切! ワイシャツの取り扱い方法
頼んでいた汚れが落ちているかをまず確認しましょう。意外に見落としがちなのがボタン。クリーニングによって取れてしまったり、ヒビが入ったりしていることがあります。クレームは早めに、かつ的確に伝えましょう。スーツと同様に、ビニールをかけっぱなしはカビや臭いの元。仕上がりを確認するためにもビニールは外してください。
長期保管の場合、畳みで保管するといわゆる“畳みジワ”がつくので、スペースに余裕があれば吊るして保管するのがベターです。この場合、クリーニング店で使われている簡易的なものではなく、しっかりとしたシャツ用ハンガーに差し替えましょう。
まとめ
スーツ本来のドレスコードから言えばシャツは下着、毎日替えるのが基本です。生地やボタンのダメージを考えれば自宅でのケアがベストですが、忙しいビジネスマンならプレスの時間はなかなか取れないもの。そんな場合はクリーニングでもOK。ただし、クリーニング店の受付の際、希望があれば明確に伝えること、仕上がりの確認、正しい保管方法は忘れずに。
①シャツは下着、毎日洗うことが鉄則。
②日常では自宅洗い、難しい汚れや特殊な素材はクリーニングで。
③クリーニングにまかせっきりにしない。適切なオーダーと。
Photograph:Tomoka Tanaka(kiitos)
Styling:Yukihiro Yoshida
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)