紳士の雑学
スラックスを自宅で洗濯する方法! シワにならないコツと注意点とは
2022.05.24
歩き回ることが多く、暑いからといって脱ぐことができないスラックスは、ジャケットとはまた違った意味で汚れがたまりやすいものです。クリーニングに頼らない、自宅でできる洗濯方法について解説します。
スラックスは自宅で洗濯できる? 事前チェックポイント
まずはタグをチェック。主に左上にある水桶のマークがあれば自宅での水洗いは大丈夫です。ここには温度や手洗いを示す手のひらの表示もあるので目安になります。バツが描かれていればNG。クリーニングへ出しましょう。
洗う頻度ははき方によるので一概には言えませんが、週2、3回の着用で夏は2、3週間に1回、冬は月に1回を目安に。もちろん、目立つ汚れがある場合や発汗量の多い人はもう少し短いサイクルで洗濯しても構いません。
洗濯は「ドライコース」を選び、おしゃれ着用洗剤を使うようにしてください。脱水は短めにしたほうがしわがつきにくいです。
洗濯機で洗う場合に気を付けること
洗う際は必ずネットに1本ずつ入れてください。ネットの大きさに合わせてスラックスを折り畳み、コースを選んだうえ、おしゃれ着用洗剤を溶かした常温の水やぬるま湯で洗濯。しわをあまりつけないように、脱水は短めにするのがベターです。
手洗いする場合は、スラックスをあまり畳まなくて済むよう、少し大きめの洗面器を用意。そこに常温の水やぬるま湯を張り、おしゃれ着用洗剤を溶かしてください。スラックスにまんべんなく行き渡るように事前に入れ、ムラが出ないようにかき混ぜておくのを忘れずに。
スラックスを水に入れたら、やさしく押し洗いしてください。目立つ汚れがあったら、こすり過ぎないようにつまみ洗いをしましょう。その後、水を替えてすすぎを繰り返し、泡がなくなったころを見計らって水から上げ、ネットに入れて脱水機にかけます。このとき、30秒から1分程度の短めにするのとしわがあまり出ません。
洗濯後の取り扱い方法は? 乾燥から収納まで
脱水後は早めに洗濯機から取り出し、折り目がつくようにスラックス用ハンガーに吊るしましょう。ピンチハンガーの場合は、中央で筒状になるように吊るしてください、脚のセンターにあるクリースに余計なしわを入れないようにするのがコツです。干すのは、日焼けを防ぐために直射日光が当たらず、風通しのいい場所が適しています。
ある程度乾いたら、アイロンで仕上げを。高温にすると生地によってはテカリが出るので、必ずあて布をしてください。まず腰回り部分をアイロン台に通して股上全体にプレスしてください。続いて平置きし、クリースがズレないようにそろえたら片脚を上げ、アイロンがけを内側の付け根から膝まで。
その後は膝から足元までかけます。特に目立つ裾はきれいに仕上げましょう。ダブルはもちろん、シングルもズレがないように念入りにあててください。
スラックスを長持ちさせるには毎日のケアと正しい収納が必須
いくらお気に入りとはいえ、毎日履くのは避けてください。ワードローブに数本はそろえ、季節を問わず、ローテーションすることが長持ちの秘訣です。はいた後はさっとブラッシングで一日の汚れを落としてください。ダブルであれば、折り返し部分にたまった埃(ほこり)が取れるように裏返してブラシをかけてください。
収納はスラックス用のピンチハンガーでウエストから吊るすのがベストですが、ない場合は通常のスラックスハンガーに二つ折りでクリース部分をそろえてかけてください。曲がっていると折りじわが出るので注意を。かけたときに裾が水平を保っていればOKです。
こんなときはクリーニングにお任せ
自宅での洗濯ではなく、クリーニングに任せたほうがいい場合があります。ひとつは最初に述べたとおり、素材表示で水洗いに×マークがある場合。またクリースをきれいにつけたいのなら、クリーニング店のほうが確実です。特にファッションのクラシック回帰で増えてきたプリーツはラインをつくりにくいので、プロのプレス技術に一日の長があります。
ただしクリーニング店の溶剤は生地にダメージを与えるので、ワンシーズンに頻繁に出すことは控えてください 。特に大きな汚れがなければ、夏はひと月に1回、冬はシーズン中に1回程度に。もちろん、シーズンの終わりには保管に備えて出してください。
まとめ
目につきやすいジャケットに比べ、ついおざなりにしがちなスラックス。でも知らず知らずのうちに汚れやひざ抜けなどのダメージがたまっていきます。着用時間が長い分だけ、ジャケット以上にケアには気を遣いたいもの。正しい手入れが結局経済的です。
①素材表示のタグでスラックスにふさわしい洗い方を選ぶ
②洗う場合はドライコース、または手洗いで短時間に
③スラックスにクリースは必要。アイロンがけはここを入念に
Photograph:Tomoka Tanaka(kiitos)
Styling:Yukihiro Yoshida
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)