紳士の雑学

ビジネスに役立つパワポ・エクセル活用術③【エクセル編】
問題解決のためのデータ分析の考え方と進め方

2019.01.28

写真・図版 齋藤健太

写真・図版

〈問題解決とは〉

日々の仕事において、問題解決は切っても切り離せないものです。

「いかにして売上や収益を上げるか」「業務効率化をどう進めるか」「優秀な人材をどう取るか」など、【仕事=問題解決】と言っても過言ではありません。

しかし、このような問題に直面したとき、思いつきに近い解決策で対応して、まずい事態に陥ってしまった、完全に失敗してしまった、ということはないでしょうか。

本来あるべき問題解決とは、次のようなプロセスとなります。

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〈問題解決するためには根本原因の見極めが重要〉

問題解決するにあたって、上記プロセスのとおり、問題が生じている状況を正確に理解し、その根本原因を見極めることがまずは必要になってきます。例えば、「売上が減少している」という問題の根本原因を導き出すことで、適切な解決施策へとつなげることができます。

起こっている問題の根本原因さえ把握できれば、その原因に対してピンポイントで解決施策を講じることができるので、問題解決の精度が上がり効果が最大化します。だからこそ「問題解決」をするうえで、その状況を正確に理解し、問題の発生している根本原因を見極めることが非常に重要なのです。

近年、さまざまな問題解決のためのツールやシステムが出ていますが、導入したけどあまり効果が出なかった、という話もよく聞きます。それは、そもそも起こっている問題の根本原因を見極める前に導入してしまったためにほかならず、まずは根本原因を見極めたうえで、そこに対して効果の高いツールなりシステムを選定するという流れが本来あるべき正しいプロセスとなります。

〈なぜ問題解決にデータ分析が有用なのか〉

そして、根本原因を見極めるために必要な情報は、ほとんどの場合社内に答えが眠っています。社内に蓄積されている会計および売上や顧客などの数値データを詳細分析するだけでも根本原因がかなりの精度で導き出せます。

また、加えて市場や競合、消費者などへの調査を行い数値データを取得・分析することで更に精度が上がります。組織関連の問題における根本原因を見極めるためには、ES調査(従業員満足度調査)を行うことで定量的に組織の現状、課題が発見できたります。

このように、根本原因を見極めるためには、生じている問題に関連性の高い数値データを調査分析することが必要で、この数値データの調査分析こそがデータ分析であり、データ分析が問題解決に有用だという理由になるのです。

そして、ビジネスにおけるデータ分析は、エクセルを活用することで十分実践できます。
※エクセルによるデータ分析の具体的方法については、次回「ビジネスに役立つエクセル活用術②問題解決のためのデータ分析 具体的事例に基づく3つのポイント」にてご説明します。

〈データ分析の進め方〉

では、問題解決をするために、実際にどのようにデータ分析を進めるのでしょうか。
データ分析は、問題解決をするためのプロセスにおいて最も重要な「根本原因の見極め」で効果を発揮します。

そのためには、次のような流れでデータ分析を行います。

写真・図版

(1)目的の明確化
そもそもどのような問題を解決するためにデータ分析をするのか、目的を明確にすることが重要です。なんでもそうですが、「ゴール」が見えなければスタートすることができません。データ分析においても、できる限り具体的に定めることが重要です。

(2)仮説の洗い出し
例えば、「売上を上げる」という目的であれば、「客数を増やす」のか「客単価を上げる」のか、「客数を増やす」のであれば、「新規顧客を増やす」のか「リピート顧客を増やす(リピート率を上げる)」のかなど、目的を達成させるための方法を洗い出します。

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上図はあくまで例ですが、できる限り仮説を洗い出すことが重要です。

(3)分析方法の定義
洗い出した仮説を検証するためにどんな数値データが必要なのか、どのような分析方法を行えばよいのかを整理していきます。現在、自社が持っているデータのほか、さまざまなデータのなかから、どのデータを使って分析を行うのかを検討します。

(4)情報(データ)の収集
定義した分析方法に基づいて、必要なデータを集めます。社内に蓄積されている会計および売上や顧客などの数値データや、行政や業界団体から得られる市場のデータ、競合企業の業績やマーケティング関連データ、消費者調査により得られたデータなど、仮説を検証するために必要なデータを収集します。

(5)分析
収集した数値データをエクセルを活用して整理・分析します。実は、データ分析をするうえで、エクセルで必要なスキルは限られています。基礎的な関数以外では、sumifやcountif、vlookup関数と、ピボットテーブルさえ押さえておけば十分問題解決するためのデータ分析が可能となります。

まとめ

問題解決するためには、まずはその根本原因を見極めることが重要であり、その根本原因を見極めるためにデータ分析が非常に有用となります。

次回の「ビジネスに役立つエクセル活用術②問題解決のためのデータ分析方法」では、複数の実例を基にデータ分析をエクセルの使い方も含めて説明します。また、より具体的にデータ分析方法を学びたい方は、下記「新装版 問題解決のためのデータ分析」をぜひお読みください。

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【新装版 問題解決のためのデータ分析】
営業や企画に限らず、どんな仕事をしている人でも、上司から「数字で示して」と求められることが増えているのではないでしょうか。その理由は、「数字は嘘をつかない指標であり、データ分析がビジネスのあらゆる問題解決に有用」だから。そして数ある問題を解決するために、「データ分析」ほど威力を発揮するものはありません。

本書では、問題解決の糸口をつかむ考え方や方法を、著者がコンサルティング現場で実践しているフレームワークを用いながら解説し、また問題解決とは切っても切り離せないデータ分析について、さまざまな事例を具体的に紹介しながら説明します。

内容としては、理論の部分は最小限にとどめ、ビジネスパーソンの要望が多い、(1)収益管理、(2)売上増加、(3)コスト削減、(4)在庫の管理、(5)新規事業開発、(6)ウェブサイトの改善、という具体的なシーンについて、「課題や仮説の洗い出し」「分析方法決めとデータ収集」「具体的な分析方法」などを10の事例を挙げて説明します。また、実践的なエクセルの機能の活用方法についても併せて解説しています。

なお本書は、2013年に刊行され、ロングセラーとして好評をいただいている『問題解決のためのデータ分析』を、わかりやすさと実践性はそのままに、時代に合わせて事例等を大幅に入れ替え、全面的に加筆・再編集したものです。

プロフィル
齋藤健太(さいとう・けんた)
株式会社クロスメディア・コンサルティング 代表取締役社長
慶応義塾大学理工学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。主に中堅規模(年商数百億円)以上の企業をメインクライアントとしたプロジェクトに従事。化粧品メーカや卸・リテール業界など、幅広い業種において、中期経営計画策定やマーケティング戦略の構築、M&Aにおけるビジネスデューデリジェンス等の実績を有する。独立後も製造業や小売業、サービス業に至るまで大小さまざまな企業の課題発見に従事、成果を上げる。特にデータ分析においては、複数のコンサルファームにもアサインされる実力を有する。

2013年9月にクロスメディア・パブリッシングより『問題解決のためのデータ分析』を出版(2019年2月に新装版が出版予定)。
2018年5月、同社グループ全体のコンサルティングに入り、10月、クロスメディア・コンサルティングを設立、現在に至る。
https://cm-consulting.jp/

Illustration:Akira Sorimachi

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