週末の過ごし方
黒こしょうが香り立つ、お酒にも合うコンビーフポテト
[長尾智子 料理の歳時記]
2019.02.28
食材は旬の時期に味わうのがいちばん。出盛りの食材をいかにおいしく料理するか。料理研究家の長尾智子さんに教えていただきます。
冬の食材『じゃがいも』
南米原産。1600年ごろにオランダ船によって、現インドネシアのジャカルタ港経由で日本へもたらされた。その後、「ジャガタライモ」を略して「ジャガイモ」と呼ばれるように。おなじみの男爵、メークインのほか、きたあかり、紅丸などの品種が増え、最近では紫色のシャドークイーン、ピンク色のノーザンルビーなど、色とりどりの品種も登場。世界中で親しまれている食材なので、レシピも多種多様。和洋さまざまに楽しめる。
「メイクイーンなど煮くずれの少ない品種を選んでください。じゃがいもに、コーンビーフの風味をしっかりつけるコツは、強すぎるくらい焼き目をつけること。じっくり焼けば、ほどほどにくずれて、いい具合に仕上がります。黒こしょうはたっぷり挽いて香りを立たせて。お酒にも合います」
<材料(約4人分)>
じゃがいも(メイクインなど煮崩れしにくい種類)5個
コーンビーフ 約100g
塩、黒こしょう 各少々
米油などくせのない植物油 小さじ2
<作り方>
1.じゃがいもは洗って皮をむき、縦に2等分、長さを4、5等分して水にさらす。鍋に入れてかぶるくらいの水(材料外)を注ぎ、中火にかける。煮立ったら少し火を弱めて、やや固めに火が通るまでゆでる。竹串を刺して確認し、柔らかくなりすぎないところで水気を切ってボウルに入れる。
2.コーンビーフは1cmくらいの角切りにする。フライパンに油を温め、まずじゃがいもを焼く。軽く塩を振り、あまり動かさないようにしてじっくり焼き、表面が固まって薄く焼き色がついてきたら、コーンビーフを上に散らす。
3.2をそのまま動かさずに2分ほど焼き、コーンビーフの脂が溶けてきたら、フライ返しで何ヶ所かを大きく返すようにし、コーンビーフがカリッと焼けて、じゃがいもにこんがり焼き色がつくまで火を通す。器に盛り、黒こしょうを挽きかける。
プロフィル
長尾智子(ながお・ともこ)
フードコーディネーター。レシピのみならず、調理道具、器、食文化全体を大きくとらえた独自の世界観が、性別を問わず支持を集める。「食べ方帖」(文化出版局)など著書多数。新刊は、お茶とお菓子、お酒と肴(さかな)を一冊にまとめた「ティーとアペロ」(柴田書店)。
vegemania.com
Photograph : Masanori Akao
Food Coorditate : Tomoko Nagao
Edit : Mika Kitamura