スーツ
スーツのアイロンがけのポイントを解説
必要な道具から手順、注意点まで!
2022.09.28(最終更新:2023.09.28)
しわのないピシっとしたスーツは、働く姿をさらにスマートに見せてくれます。とはいえ、頻繁なクリーニングは生地を傷めるうえ、経済的にも負担がかかります。そんなときは自宅でのアイロンがけにトライしてみましょう。コツをおぼえれば意外に簡単。そのノウハウを詳しく解説します。
アイロンがけに用意するもの
スーツは高温の熱を直接あてるとテカリが出ることがあるため、アイロンはぜひしっかりしたスチーム機能つきを用意しましょう。ない場合は霧吹きを使ってください。同様の理由であて布も用意したいところ。立ったほうがアイロンをかけやすいので、台は足つきのスタンドタイプで 。高さが調節できる折り畳み式が収納に便利。
ハンガーに吊るしてかける場合はスチーマーが使いやすいです。スチーマーがない場合はミトンも代用できます。
スーツをアイロンがけする手順
まずは基本のタグをチェック。絵文字部分に必要な情報が書かれています 。大切なのが温度で、素材によって差があります。ビジネススーツの主流であるウールは140~160°。ちなみに綿、麻は180~200℃が目安。アイロンの下にある波上の線を布をあてる指示です。
まず目立つラペルは全体を折り返して裏側から。立体的な襟をつぶさず、表の生地に直接熱をあてなくてすみます。袖、右身頃 、回して背中、左袖、身頃と進めていけばスムーズです。
1.まず目立つラペルは全体を折り返して裏側から。立体的な襟をつぶさず、表の生地に直接熱をあてなくてすみます。
2.次は袖。アイロンプレスによる線が入らないよう、力を入れすぎないこと。
3.次は身頃。腰のポケットにフラップがある場合はつぶさないように注意。
4.コツは力を入れすぎないこと。ウール自体に復元力があり、シャツにくらべればしわがつくにくいので、気になる箇所のしわを熱と蒸気でなじませるように押し当ててください。圧力が強いと逆にアイロンじわが出来てしまい、逆効果です。
5.パンツは特に立体的な腰回りから始めてください。アイロン台の端に左右の生地が重ならないように腰回りを入れ、回しながらかけます。この際ウエストやポケットのボタン、ファスナーにアイロンがあたらないように。
6.次に股上から裾まできっちりとそろえてクリース(中央のプリーツ)の位置を決め、内側の足の付け根から裾までかけます。
7.きれいにラインが出るように、クリース部分は少し力を入れてください。
スチーマーならハンガーにかけたままでラクラクしわのばし
もっと手軽にかけるなら、ハンディスチーマーを活用してください。ハンガーに吊るしたまま蒸気をあてるので、スーツ本来の形がキープできます。また、熱が直接生地にあたらないのもメリット。
通常のアイロンをかけるなら、アイロン用ミトンを利用するのも手。ハンガーに吊るした状態で、気になる箇所の裏からあてて固定し、アイロンをかけてください。
自宅でのアイロンがけではテカリに注意を
テカリは圧迫や摩擦によって繊維が潰れてしまうことが原因。平たくなった生地が光を反射してしまいます。日常で一着を着まわすような使用で発生しますが、高熱も原因のひとつ。温度を上げ過ぎず、必ずあて布をしてください。
もしもテカリができてしまったら、スチームアイロンやスチーマーで対処を。あまり密着させず、生地から浮かせて蒸気をかけるのがコツ。 生地から数センチ程度離し、蒸気がまんべんなくわたるようにかけるのがコツ。
まとめ
スチームを上手に使ったセルフケアは、クリーニング代の節約だけがメリットではありません。スチームの熱と蒸気がスーツの生地を蘇らせる効果があります。ぜひ日常の手入れに取り入れてください。
①アイロンの熱とスチームがスーツに生命力を与える
②高熱には注意。あて布と温度調節でテカリを防ぐ
③スチーマーは活躍必至のアイテム。アイロンと併用をすると効果的
Photograph:Tomoka Tanaka(kiitos)
Styling:Yukihiro Yoshida
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)