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ファッショントレンドスナップ41【番外編2】
紳士の国のダンヒルの、デカロゴのバッグ。
2019.04.02
ブランドの名前やアイコンを帽子、セーター、Tシャツに派手にプリントしたものが今世界中で流行しています。これは、「遠くから見てもひと目でブランドもの着ています」的なアピールをしたいからではなく、「古い時代のグラフィックがかっこいい、可愛い!!」という理由のようです。
そこに、スニーカーを中心にしたファッションとが絡み合って新しいスタイルが生まれてきています。日本でもクールビズが定着し会社によってはノータイでスニーカーもOKというところが増え、カバンもそれに伴い昔のような重たくクラシックな革のカバンは不釣り合いになってきています。
そこで注目されているのがリュックやクラッチといったバッグ。見ためはちょっとカジュアルでも、高級感をアピールできるロゴ入りならビジネスでも使えます。
ロンドンの老舗ダンヒルからも今季はドカン!!とロゴを入れたクラッチがこの春登場しました。dunhillの文字グラフィカルな配置がユニーク。
これなら、今どきのソフトなスーツやジャケットスタイルにも間違いなくハマりますね。それに、営業先のお客様にも、わかりやすい高級ブランドを持っている感を出さないのも良いですね。
実はこのグラフィック、アメリカの歌手フランク・シナトラとその妻が1970年頃に持ち歩いていたダンヒルのペーパーバッグからインスピレーションを得たものだったのです。こうした、逸話があるのも老舗ならではですね。
本体の素材はPU加工キャンバス。シボ模様のエンボス加工を付けることで、レザーのような質感に仕上げています。こうすることで程よいマットな見えかたになり、ロゴが悪目立ちしません。それに、軽いキズがついたとしても、シボの凹凸がそれを上手くカモフラージュしてくれます。
ハンドルとトリミング部分の素材はカーフ。ファスナーの引手は、上の写真の様に簡易ロックすることができるので、荷物が多くてファスナーが自然に開いてしまうといったトラブルも防止できます。
こちらはレザーのバックパック。昭和生まれの方はナップサックのほうがわかりやすいのかもしれませんね。
センターに大きくブランド名がはいっていますが、型押しなので品よくまとまっています。開口部にレザーの持ち手がついているので、縦型のトートバッグのように持つこともできるのでビジネスシーンでも違和感なく使えます。
出張の時には、頻繁に使うPCなどを入れられたり、お土産も忍ばすことが出来るキャパシティがあります。また、スーツに背負っても肩ひもまでレザーなのでカジュアル感がほぼ出ないのも流石です。
センターに型押しされている欧文は、ブランドの創業年である「ALFRED DUNHILL LTD 1893」と、ロンドンの本店ボードンハウスのアドレス「2 DAVIES ST. MAYFAIR LONDON」。
細かなシボがはいったカーフの革は、薄く柔らかく手で触ったときの高級感は「さすが老舗ブランドならでは!!」と納得いく仕上がり。
最近のスーツは、どんどん機能や素材が進化しカジュアル化してきています。カバンもそれに合わせるのが道理。ダンヒルのこのバッグならどんなスーツも間違いなくマッチし、クールビズをアップデートしてくれるはずです。
問/ダンヒル 03-4335-1755
掲載した商品は税抜き価格です。
プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。
Photograph:Kazunori Igarashi(WISH)
Styling & Text:Yoichi Onishi