紳士の雑学
夏までに理想のカラダを手に入れる 第1回
男35歳「今年こそは」を今年こそ実行
2019.05.31
自分のカラダへの責任が増すことで
健やかなカラダを求める30代
夏が来れば思い立つ、「今年こそは、夏服が似合う体になってやる」。そんな読者諸兄は少なくないだろう。編集部の藤森氏もそんなひとりだ。齡35、学生時代はバスケに熱中し、いまよりは引き締まっていた体形の青年も、中年になりぽっちゃり体型に。「30歳を超えたころからは、食べた分どころか、それ以上に体へとお肉が付いている」と半ば諦めぎみ。
35歳、ポチャ度合いは人生史上MAX……。夏が来て薄着になったら、このだらしないボディーを隠せない。「さすがに、このままではまずい」と感じ、「今年の夏こそは!」を今年こそ実行すべく、GW明けからのトレーニングを決意した。
とはいえ、人とは弱い生き物。ひとり、部屋でコツコツと筋トレやストレッチをこなすのは難しい。そもそも、理想のカラダを手に入れるため、どういったトレーニングをすればいいかもわからない。「ここはひとつプロに指導してもらおう」と藤森氏が足を運んだのは、『GRIT NATION(グリット ネーション)』。「人間本来の身体機能を取り戻す」をテーマに、筋肉ではなく動作を鍛えるメソッドをグループクラスで提供するワークアウトスタジオだ。
「GRIT」は勇気や気概、闘志などと訳されるが、普段からビジネス書に目を通している人は、少し前に話題となった書籍、『GRIT(グリット) 平凡でも一流になれる「やり抜く力」』を思い出したかもしれない。ここでの「GRIT」は、「Guts(度胸)」「Resilience(復元力)」「Initiative(自発性)」「Tenacity(執念)」からなる「やり抜く力」と紹介されている。
「ここはトレーニングをやり抜いて、新しいカラダを手に入れる場所」と解釈した藤森氏。『GRIT NATION』代表の林 周一郎氏も「私たちは、やる気のない人にトレーニングをすすめるのではなく、やる気のある人のトレーニングを継続させるお手伝いをしています」と続ける。まさに、いまの藤森氏のモチベーションにピッタリだ。
藤森氏に限らず、『GRIT NATION』に通う男性は30代以降が多いという。理由のひとつは体形の変化だ。30代を過ぎて日常的に運動をしないと筋肉量が落ち、基礎代謝も下がる。若いころと同じ量の食事だと、当然太りやすくなる。たるんだボディーを引き締めたいという需要はあるという。しかし、それ以上に多いのが「カラダ自体への危機感」だという。
「30代になると、健康診断の再検査でドキッとした人も多いことでしょう。また、学生時代にやっていたスポーツのOB戦に出たり、子どもの運動会に参加したりして、想像以上に体力の衰えを実感する年代でもあります。一方、30代になると会社でも責任のある仕事を任せられるようになりますよね。そうなると、若いころよりも体調管理が大事になります。自分のカラダへの責任が増すことで、健やかなカラダを求めて『GRIT NATION』に通うという方も多い。私たちも、ただマッチョな肉体を作るというよりも、生活を豊かにする機能的なカラダ作りを目指しています」と林氏。
3Dスキャンで丸裸になった35歳の肉体は……
おなかぽっこり&尻ぺちゃだった
林氏は「トレーニングを開始するにあたり、重要なのは可視化」と語る。そのため、『GRIT NATION』が導入しているのが「3Dスキャナー」だ。赤外線を活用した20基のセンサーで全身170カ所を計測。30〜40秒で3Dアバターを生成する。「ZOZO スーツアプリ」の超高性能版といえばわかりやすいかもしれない。これに、体組成計で計測した筋肉量や脂肪量、ボディーバランスなどを加味して、体の状態を判断するという。
林氏によると「健康診断ではBMI(体重と身長の関係から肥満度を示す体格指標)を重要視しますが、BMIは筋肉質で体重が重い場合も肥満と判定されます。重要なのは、BMIよりも体組成の質です。質が変われば、自ずと見た目も変わります」とのこと。
例えば、3Dスキャンではカラダの総体積がわかる。脂肪は比重が低く筋肉は高いので、同じ重さだったら脂肪のほうが体積は増える。つまり、筋肉をつけながら脂肪を減らすと、体重は変わらなくても総体積は減り、カラダは締まって見えるというわけだ。これが、質が変わるということ。
さて、3Dスキャンの結果、藤森氏のカラダはというと……。
「典型的な30代男性の体ですね。おなかぽっこりでお尻ぺったり。これだと、洋服を格好良く着こなせませんよ」と林氏。藤森氏は「わかっていたとはいえ、現実を突きつけられるとちょっとな~」とショックを隠しきれない様子だ。
しかし林氏は、「現実を知ることこそ、行動変容にとって重要なこと」と語る。行動変容とは、簡単に言えば意識と行動が変わること。1980年代前半の禁煙研究から導かれており、「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると言われている。藤森氏は、トレーニングを始めているが6カ月未満なので、「実行期」にあたる。実行期で必要なのは、周りからのサポートを活用することや運動しやすい環境作りとされており、これはまさに『GRIT NATION』でのトレーニングが担っている。
「特に、食事と運動に対する行動変容に重要なのが、毎日、体重や体組成を測る、食事を記録するといった行動のモニタリングです。これは、客観視・可視化につながります。『GRIT NATION』では3Dスキャナーも使っていますが、自宅なら体組成計で体重や体脂肪率を測ったり、鏡に映った姿を写真に撮ったりするだけでも、行動変容を促すきっかけになります」と林さん。
「自らのカラダを可視化したことで、やる気がアップしました」と藤森氏。自らの行動を変えつつ、理想のカラダへ。これから3カ月、お悩みに応じたトレーニングやボディーメンテナンスにチャレンジする、男35歳の肉体&精神改造に乞うご期待。
Text:Tukasa Sasabayashi
Photograph:Naoko Katayama
※1 提供:GRIT NATION