腕時計

バーゼルワールド2019 リポート
チューダー

2019.06.06

バーゼルワールド2019 リポート<br>チューダー

1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。

半世紀を経て復活した
アメリカ海軍向けのダイバーズモデル

チューダーは、ロレックスを創立したハンス・ウイルスドルフが立ち上げたファミリー・ブランド。2018年10月末から日本に本格上陸。たちまち腕時計ファンから熱い注目を浴びる存在となった。ロレックスの技術と品質などを継承しながらも、先駆性を備えていることが特徴。2015年には自動巻きムーブメントを自社開発。スイス公式クロノメーター検定協会(COSC)が認証した高精度だけでなく、シリコン製バランススプリング(ヒゲゼンマイ)によって耐磁性も高い。約70時間のロングパワーリザーブも実用的だ。このムーブメントを搭載したダイバーズモデル「ブラックベイ」が代表的なコレクション。時針の先にあるスノーフレークと呼ばれる角形のシンボルがアイコンとなっている。

新作で最も大きな話題を集めたのは、4時位置のリュウズが特徴的な「ブラックベイ P01」。チューダーは1950年代からアメリカ海軍にダイバーズウオッチを提供していたが、60年代末に新たなモデルを開発。海軍用スペックをクリアする高度な機能を備えていたが、市販化には至らなかった。このプロトタイプを半世紀ぶりに現代の最新技術で復活させた。ダイヤル上部のフラッシュフィット(ベルトとの接合部)に取り付けられたエンドリンクの開閉で回転ベゼルを固定するスタイルもユニーク。

この「ブラックベイ」は2016年に経年変化を楽しめるブロンズモデルを初めて発表したが、ダイヤルとベゼルをスレートグレーにした新作も登場した。ダイヤルは内側が明るく、外側が暗いグラデーション。重厚感あるビンテージな雰囲気のブロンズによく似合うカラーリングだ。ケースの表面は、使う人の環境などで個性的に変化。次第に唯一無二の風貌になっていく。

400_black_leather_brown_FF_PR
「ブラックベイ P01」。自動巻き(キャリバーMT5612)、パワーリザーブ約70時間、ケースはステンレススチール、直径42㎜。回転ベゼルは第2時間帯表示になる。200m防水、\387,500(予価、今秋発売予定)
400_slate_fabric_slate_FF_PR
「ブラックベイ ブロンズ」。自動巻き(キャリバーMT5601)、パワーリザーブ約70時間、ケースはブロンズ、直径43㎜、ストラップはハンドメイドのファブリック、200m防水、\397,686

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

問/日本ロレックス 03-3216-5671

プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。

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