腕時計
バーゼルワールド2019 リポート
センチュリー
2019.06.11

1月のジュネーブサロン(SIHH)に続いて、バーゼルワールド2019がスイスで3月21日~26日に開催された。時計はもちろん、宝飾系ブランドも新作を披露する大規模な国際展示会だが、今年はオメガなどが属するスウォッチグループが不参加。その影響もあって出展社数は減少したが、会場は例年同様の活気が感じられた。スウォッチグループはブランド独自に新作を発表しているので、それらも含めて注目モデルをピックアップする。
サファイアクリスタルがきらめく
スケルトンモデルがカラフルになった!
時計のダイヤルを覆うガラス部分を風防と呼ぶが、現代の高級時計のほとんどはサファイアクリスタルを使用している。もちろん天然サファイアではなく、それと同じ素材の酸化アルミニウム(アルミナ)を人工的に結晶化したものだ。ダイヤモンドに次ぐ硬度の高い素材なので、傷がつきにくく、無垢の透明な輝きが永続する。それだけに切削や加工は容易ではないが、そんなサファイアクリスタルを、風防と一体化したケースとしてさまざまに活用してきたのがセンチュリーだ。
これまではレディースを主体としてバリエーションを拡大してきたが、近年はメンズモデルも積極化。なかでも2017年に発表したスケルトンモデルが高い人気を呼んでいる。ファセットカットを施したサファイアクリスタルが時計の外周で美しくきらめくだけでなく、ダイヤルに露出した機械式メカによって本格的なメンズを印象付けられることが人気の理由ではないだろうか。
ファセットカットの面数によって2タイプがあり、「プライムタイム」は切削面をダイナミックに強調した12面。「エレガンス」は繊細な48面カットとなっている。「プライムタイム」の新作は目盛りのインナーリングがカラフルになり、イエロー、フクシアピンク、ブルーの3種類をラインアップ。秒針の色も合わせていることがポイントで、腕元を明るく鮮やかにできる。「エレガンス」では、18Kレッドゴールドのモデルを追加。円熟した紳士にふさわしい落ち着いた重厚感が特徴だ。ケース径もこれまでの38.5㎜に加えて、42㎜のラージサイズを追加。いずれも100m防水という実用性も評価したい。
2タイプともに、これまで見慣れたメンズファッションを華やかに演出してくれるはずだ。


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問/センチュリー銀座ブティック 03-6278-8975
プロフィル
笠木恵司(かさき けいじ)
時計ジャーナリスト。1990年代半ばからスイスのジュネーブ、バーゼルで開催される国際時計展示会を取材してきた。時計工房や職人、ブランドCEOなどのインタビュー経験も豊富。共著として『腕時計雑学ノート』(ダイヤモンド社)。