紳士の雑学
留める or はずす? スーツの ボタンはどうするのがマナー?
2019.06.27
スーツのボタン留め方はずし方。種類別マナーや由来も一挙紹介!
スーツには約束事が少なくありません。たとえばボタンの留め方、はずし方。簡単なようでいて、だらしなく見えたり、逆に窮屈なイメージになったりと作法が意外と難しいものです。今回はそのノウハウを解説します。
知っておきたいスーツのアンボタンマナー
スーツは礼服をベースにしながら、機動性を考慮して少しずつ進化してきました。付いていても留めないアンボタンというマナーもそのひとつ。
具体的には通常のビジネススーツでは、いちばん下のボタンを留めないのが普通です。それに加え、シングルとダブル、またはボタン全体の数によってルールが少しずつ異なります。次からの解説をご参照ください。
スーツの種類別ボタンの留め方マナー
スーツにはシングル、ダブルの違い、またボタンの数によって留め方に違いがあります。マナーの観点から、ボタンを留めるノウハウを種類ごとに解説します。
シングルスーツのボタンの留め方マナー
2つボタンの場合は上のボタンを留めて、下はアンボタンのまま。3つボタンであれば上2つを留めます。これを上2つ掛けと呼びます。
ただし、より一般的な段返りタイプの3つボタン(一番上が前側に半分反っているもの)の場合は開けたままにし、真ん中のみを留めます。これは中1つ掛けになります。
機能面だけでなく、裾にかけて広がるシルエットは体のラインを凛々(りり)しく見せてくれます。
ダブルスーツのボタンの留め方マナー
よりフォーマルな雰囲気のダブルはこの限りではありません。ダブルは2段4つボタン、または3段6つボタンがありますが、それぞれボタンをすべて留めても大丈夫ですし、下のボタンをはずしても構いません。
ただし、いちばん上のボタンをはずすと動くたびに隙間が生じてルーズに見えるので、ビジネスシーンでは慎みましょう。
また見落としがちですが、左合わせの内側についているボタンは右の合わせを固定するためのものなので、必ず留めるようにしましょう。内側でずれてしまい、見た目、着心地の双方でマイナスです。
スリーピーススーツのボタンの留め方マナー
スリーピースはジャケット下のベストのボタンを留めることが原則。なので、ジャケットのボタンははずしても構いませんし、むしろはずしたほうがスッキリと見えます。
また通常ベストのいちばん下のボタンははずしますが、ベストの裾が剣先状になっている場合は留めても構いません。
また数は決して多くないですが、ベストもダブルブレストがあります。こちらはジャケットと同様に上は留めますが、いちばん下ははずしてもマナー違反ではありません。
座ったときのスーツのボタンのマナー
スーツは立った状態を想定して仕立てられているのでボタンは留めますが、着座する際ははずすのが一般的です。これはジャケットにシワが寄るのを防ぐため。
ただし、目上の人と対峙する、または面接のような椅子だけの場合、またはテーブルの天板が低い場合は、留めたままのほうがキチンと見えることがあります。
スリーピースのベストはより体にフィットしているので、はずさないようにしてください。
まとめ
現在のスーツのボタンは、フォーマルな出自とアクティブな進化による合理性のふたつの要素を兼ね備えています。形状と状況に合わせて正しい留め方をするのがスマートです。
① シングルのジャケットはいちばん下のボタンをはずすのがマナー。ダブルはすべて留めても可
② スリーピースのジャケットのボタンははずし、代わりにベストは留める
③ 着座する際はジャケットのボタンをはずすのが見た目も着心地もベター
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)