カジュアルウェア

ファッショントレンドスナップ49
6月のピッティで見つけた夏トレンド!!
第1回「サファリジャケット」

2019.07.30

大西陽一 大西陽一

6月にイタリアのフィレンツェで開催されたメンズファッションの国際見本市ピッティ ウオモ(以下ピッティ)は、今回でなんと96回目。この歴史が物語るように、メンズのリアルなトレンド(モード以外)は、常にここから発信されてきました。

前置きは、このくらいにしてズバリ今年のピッティで個人的に「これは新しい着こなし。日本でも流行るな!!」と思ったものをピックアップ。初回からかなり振り切って行きますが、どうかお許しを。

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第一回目はこの御仁が着ているサファリジャケット。オリジナルのデザインは、アフリカの砂漠、インド、ベトナムなどで兵士が着るために開発された上着で、ブッシュジャケットなどとも呼ばれています。ポケットが前身頃に4個ついていて、エリがついているのが一般的。このクセのあるジャケットを、今年のピッティではよく見かけました。ポイントは、どの方もきれい目に着こなしている点で、ミリタリーオタク的な匂いを一切させない着こなしだったこと。

この御仁のは、白Tシャツとオフホワイトのコットンパンツを合わすことで、涼しげでリラックスした大人の色気を醸し出しています。

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Tシャツは、着丈が絶妙ですね。ここが、長すぎると急にだらしなくなってしまいます。Tシャツはシンプルな分、着丈とフィット感にだけは気を使って購入することをおすすめします。ちなみに私は、Tシャツ買うときは、できる限り試着してます。

パンツは、最近急増しているウェストをひもで縛れるようになっているタイプ(ドローコード付きパンツとかイージーパンツと呼ばれている)ですね。パンツは、Tシャツと同じ白色でありながら若干色目をクリーミーにして、着こなしにメリハリを出すというベテランならではのテクニックが。

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こちらは、キレッキレッのトレンド感を放つ御仁。ピッティの来場者の中では若手(30歳代のはず?!)ですが、総じてこの世代はこうした今までにない新しいドレススタイルを発信するのが上手。

とはいえ、こうした着こなしはピッティでは高く評価されますが、日本では間違いなくファッション関係者(男性に限る)にしかうけませんが……。

サファリジャケットにネクタイなんて奇抜だと思う方も多いと思いますが、実はイギリス軍の古いサファリジャケットを検索すると、決まってネクタイ着用の写真がいくつも見つけられます。要するにこのジャケットとネクタイは元々相性が良いのです。その辺を知っててこの御仁がネクタイやっているかはやや疑問ですがね。

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アップにするとこの御仁の上半身には今年のトレンドがてんこ盛りされているのが判明。まずはシャツが、デニム系素材(ダンガリー)のタブカラー。ネクタイは涼し気な白ベースの小紋タイで、大剣と小剣をずらして締めるナポリスタイル。

その上に、ジャケットのウェストベルトを無造作に締め、ジャケット前見のボタンは止めず微妙な隙間を作っています。以上はすべて最近のピッティでのトレンドなのです。

一見着崩れしたように見えますが、実は全て計算ずく。きっと宿泊先のホテルで、鏡の前に立ち入念に細部までチェックしていたと思います!!

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とりのこの御仁は、モード色の強い着こなし。実のところ、サファリジャケットが今ピッティで再評価されているのは、こうした幅広いコーディネイトができるからだったのです。

インナーと靴を黒にするだけでこれほどイメージがかわるのですから。それに、パンツをジャケットと共生地にすることでよりよりモード感を強くアピールしています。

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余談ですが、この御仁がきているサファリジャケットの色をカーキ色といいます。日本ではベージュ系からスモーキーなグリーンまで幅広くとらえられていますが、語源を調べるとインドのヒンディー語の「土ぼこり」からきているそうですから、こちらがオリジナルに近いと言えます。

ポケットもちゃんと4個ついて肩にはストラップがついてるクラシックなデザインですが、ベルトを無くし素材をリネンにすることで軍モノ臭をうまく消しています。

キャラの仕上げは、このティアドロップ。これを日本で真似できる人はかなり限られるので、レイバンの定番デザインのウェイファーラーの黒に変えれば着こなしのハードルはかなり下がるはず。

6月のピッティレポートとしては、かなり遅くなってしまいましたね。猛反省。ただ今年のピッティも猛暑でしたので、今見たほうがリアリティがあるはず……。言い訳がましくなりましたが、次回もピッティのトレンドをお送りします。乞うご期待を。

トレンドスナップのまとめはこちら

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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