旅と暮らし

シカゴがもたらす知的な時間、アカデミックな人生!
第3回:“エンターテインメント王国”の本場で魂を感じる

2019.11.06

シカゴがもたらす知的な時間、アカデミックな人生!<br>第3回:“エンターテインメント王国”の本場で魂を感じる
Navy Pier

古くは、映画『アンタッチャブル』にて禁酒法時代の暗黒街の帝王、アル・カポネが描かれ、黒ずくめの凸凹コンビが街中を駆け回る『ブルース・ブラザース』の舞台にもなったシカゴ。エンターテインメントの歴史は古く、たとえばニューオリンズ発祥のジャズは、独自の発展を遂げてシカゴ・ジャズに。ミシシッピ川近郊で生まれたブルースも、引き語りスタイルからバンド形式に進化し、シカゴ・ブルースに。それぞれに都会の風が吹き込まれ、いまのスタイルに発展したのだ。

大人を成熟に導く、知的ナイトライフが充実

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Winter Jazz Club

名門クラブが軒を連ねるシカゴにおいて、ビジネスパーソンに似合う大人のジャズクラブが「ウィンターズ・ジャズ・クラブ」。ストレートジャズを中心に、トラッド、ジプシー、スウィング、ビッグバンドまでさまざまなスタイルが演奏される。ステージと客席が近いこともあってコージーなムードが流れているのがいい。ライブが終わって外に出ると、リバーサイドに抜ける風が心地よく感じる。ふと自分が街になじんだ感覚が得られるのも、生音ならではの贈り物かもしれない。

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「リリック・オペラハウス」にて過去に上演された『ドン・キホーテ』のひと幕。

一方、クラシックを好むなら「リリック・オペラハウス」へ案内したい。メトロポリタン・オペラ、サンフランシスコ・オペラと並ぶ、アメリカ三大オペラのひとつ、リリック・オペラの本拠地で、席数は3500以上あり、北米ではメトロポリタンに次いでNo.2の規模を誇る。

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©Dan Rest
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    ©Sophie Paolino

アール・デコのファサードと内装はエレガントそのもの。年内から年明けにかけては、モーツァルトの『ドン・ジョバンニ』、プッチーニの『マダム・バタフライ』などの大作が上演予定。チケット入手はタイミングによるが、手配がかなうならぜひドレスアップして出かけてみてはどうだろう。

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    ©Daniel Boczarski

さて、シカゴのエンターテインメントの奥深さが垣間見られるのが「シカゴ・マジック・ラウンジ」。一流のマジシャンたちが展開する魅惑のショーに時間を忘れること必至。トリックを見破ろうと思うのだが、そのうち騙されることが快感になる。最後は気分がリフレッシュされ、これこそがエンターテインメントなのだとひざを打った。

絶景を誇る湖畔のルーフトップに、大人たちが集う

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Navy Pier

旅の締めくくりとして、ミュージカルなどが楽しめる「シカゴ・シェイクスピア・シアター」をはじめ、数々の文化施設が入る「ネイビー・ピア」に触れておきたい。ミシガン湖に向かって帯状に延びる埋立地で、シカゴ屈指の人気スポット。ファミリーや観光客でにぎわうエリアだが、多忙を極めるビジネスパーソンにこそ、ぜひ足を運んでほしい場所があるのだ。

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    Navy Pier

それこそが、ミシガン湖と摩天楼を一望できるルーフトップレストラン「オフショア・シカゴ」。湖畔の風を浴びながらあじわうシャンパンは至福の一杯で、その価値を知る上質な大人でにぎわう都会の社交場なのだ。5月〜9月までは隔週水曜と土曜に花火を開催。宵から夜更けに向け、さらに盛り上がりを見せる。この情景を見ると、人生を謳歌(おうか)することの大切さを考えずにはいられない。どれほど忙しい日々でも、心をなくすことなかれ。シカゴという街の住人は、その知性を宿す成熟した人々なのだろう。

アクセスがよく、スパも充実したラグジュアリーホテル

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「J.W.マリオット・シカゴ」は、ループという街の心臓部に位置し、アクセスがいいのが特徴。

最後に、シカゴステイを快適なものにしてくれるホテル「J.W.マリオット・シカゴ」を紹介する。シャンデリアが吹き抜けのエントランスを照らし、ラグジュアリーな空間を演出。ホテルに戻るたびに誇らしく、それでいてくつろいだ気分にさせてくれる。また2階にある「フィオレンティーナ」は、クラシカルなインテリアの中で正統派のモダンイタリアンを提供。数々のメディアから高評価を受ける名店だ。

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    銀行だった建物をリノベーションして2010年にオープンした。
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客室は全室天井が3メートルあり、開放感たっぷり。何より日本人としては、シャワーブースとは別に広々としたバスタブが備えられているのがうれしい。全身をゆったりと湯船に沈めれば、旅の疲れも取れていくことだろう。

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    スパの内装はシックトーン。
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滞在中、ぜひ訪れたいのがスパ。大理石のハマムを備えていて、体が芯から温まることで、デトックス効果が期待できるという。フィットネスジムとプールも完備し、ヨガクラスも開催。何よりここは世界的大会の「シカゴマラソン」が行われる場所。第2回で紹介した「シカゴ美術館」がスタート地点で、第1回で紹介した高層ビル「ルーカリー」と「J.W.マリオット・シカゴ」の間を走り抜けるのが本番コース。ジムにはランニングマップも置かれているので、ぜひトライしてみたい。

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Navy Pier

アーネスト・ヘミングウェイ、フランク・ロイド・ライト、ウォルト・ディズニー、バラク・オバマまで。シカゴに縁ある人々で世界的な影響力をもつ人物は意外に多い。ビジネストリップで、昨今増えている“ブレジャー”で、もちろん知的好奇心を満たす大人のプライベートバカンスで、知性と自由を享受しに出かけてみてはどうだろう。

<<第2回:世界に誇る“ミュージアム天国”で知の海に浸る はこちら

ウィンターズ・ジャズクラブ(465 N. McClurg Court, Chicago,IL)
リリック・オペラ・ハウス(20 N. Wacker Drive, Chicago,IL)
シカゴ・マジック・ショー(5050 N. Clark Street, Chicago,IL)
シカゴ・シェイクスピア・シアター(800 E. Grand Avenue, Chicago,IL)
オフショア・シカゴ(1000 E. Grand Avenue, Chicago,IL)
J.W.マリオット・シカゴ(151 W. Adams Street, Chicago,IL) 
フィオレンティーナ(151 W. Adams Street, Chicago,IL)

取材協力/シカゴ観光局ユナイテッド航空

Text:Maho Honjo

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