紳士の雑学
スーツスタイルのマストアイテム?
タイピンの選び方
2019.11.07
Vゾーンの構成に不可欠なタイですが、ジャケットを脱いだ状態では左右に揺れ動いて落ち着かない傾向があります。英国調のオーソドックスなスーツスタイルが復活していることもあり、よりきちんとした着こなしをサポートするタイピンが注目を集めています。タイピンの目的、種類やつけるポイントを解説します。
タイピンは何のためにあるの?
タイピンはタイを固定させるのが主目的で、そこに装飾の要素が加わったツールです。ジャケットを着ている場合はタイが動くことはあまりないですが、脱いだ状態では揺れてしまいます。またかがむと垂直に垂れてしまうので、食事や洗面所で濡れたり、汚れたりすることも。そんなときにシャツに固定できるタイピンは重宝します。
タイピンの種類
タイピンは留め具や素材によって種類にバリエーションがあります。
タイピンの種類① タイクリップ(ワニ口式)
その名のとおり、ワニの歯のようなギザギザ部分でしっかりネクタイをホールド。表面のデザインにボリュームがあるのが特徴です。アクセントになる半面、やや目立ちすぎる傾向があります。また、強いバネを使うため、生地に跡が残ることもあります。
タイピンの種類② タイバー(タイクリップ式)
バネを使わず、2本のクリップでシャツとタイを挟む方式。シンプルなデザインが多く、よりさりげなく見えます。ワニ口式に比べると、ホールド感では劣ります。
タイピン選びのポイント
タイピンは決して大きなものではないですが、Vゾーンにある分、やはり相手の視線に入りやすいもの。好印象を損なわないための選び方のポイントを押さえておきましょう。
タイピンの選び方① シンプル イズ ベストを心がける
アクセサリーとはいえ、タイやシャツ以上に目立つのは本末転倒です。ビジネスシーンにおいて、そして第一線で活躍する働き盛りであれば、シンプルなものがおすすめです。
宝石や貴石などが入っていない、小さなサイズのものを選んでください。腕時計のケースやベルトのバックルの色と同じだとまとまりやすいですが、ゴールドはタイに多いネイビーや赤では特に色が際立つので、シルバーやステンレスのほうが収まりやすいです。
タイピンの選び方② タイピンの長さに注意
タイの長さとのバランスにも注意。挟むタイの位置の幅を超えないのは鉄則。ナロータイをする際には用いないでください。
つけ方で差が出る マナー&おしゃれのルール
シャツとネクタイを挟むシンプルな方式ながら、つける位置によっても微妙な差が生まれます。
タイピンの位置〜ジャケット着用時〜
ジャケットを着ているときは、ジャケットの第一ボタンの少し上に着けてジャケットの上からでも見えるようにしましょう。実用を兼ねつつ、さりげなくセンスを感じさせます。
タイピンの位置〜シャツのみの場合〜
ジャケットを脱いでいるときは、揺れを防ぐためにシャツの第4ボタン〜第5ボタンの間にするのがおすすめ。ジャケット着用時と同じ位置だと留めた場所から下の部分がゆれがちです。
タイピンの位置〜上級ちょっと高め位置〜
上のジャケット着用時から少し上、第三、第四ボタンの間くらいの位置です。タイを軽く上にあげるようにして、少しカーブをつけ、盛り上がって見えるようにしてみてください。Vゾーンと立体的に見え、相手へのインプレッションがアップします。ただしおしゃれの要素が強いので、堅い職場や社外の人と会うときはやめた方が無難です。
まとめ
たかがタイピン、されどタイピン。タイをスマートに見せるのには持ってこいのアイテムです。なじみのなかったアイテムかもしれませんが、つければその使いやすさとおしゃれさに納得するはず。
①タイピンはVゾーンをスマートに見せる名バイプレーヤー
②タイクリップとタイバーの2種類、表のデザインはシンプルに
③つける位置を変化させることで、使いやすさとおしゃれにひと工夫
Text:Mitsuhide Sako(KATANA)