カジュアルウェア

ファッショントレンドスナップ57
休日のコーディネートにお悩みの方は
迷わず白タートルをチョイス!!

2019.11.11

大西陽一 大西陽一

ファッショントレンドスナップ57<br>休日のコーディネートにお悩みの方は<br>迷わず白タートルをチョイス!!

「ドルチェ ビータ」とイタリアのファッション関係者の人が呼んでいるタートルネックセーター。言葉の直訳は「甘い生活」(素晴らしい生活とかハッピーライフ的な意味合い)。

なぜこう呼ばれているかは、諸説ありますが、『La dolce vita』という1960年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督のイタリア映画に出てくる主人公(マルチェロ・マストロヤンニ)が、このセーターを着ていたからという説はどうやら間違いのようです。私が、見た限り映画でマストロヤンニはタートルセーターを着ていませんでしたから。来年のピッティ・ウオモでイタリア人に聞いてみますが、きっと誰も正確な答えは出せない気がします……。

そんなエピソードのあるセーターは、昭和の東京オリンピックのころは「とっくりセーター」と呼ばれていて、カーディガン、丸首、Vネックとともに人気がありましたが、昭和も終わりごろになると着る人が減ってしまいました。それが令和になると、再びトレンドアイティムとして再浮上。

個人的には昔から冬になるとと必ず着ているものですが、昨年くらいからそろそろリバイバルするかな!?と感じていました。なぜなら、最近のトレンドは、必ず60年以降のちょっとダサかっこいいものをうまく採り入れているから。

こう書くと、流行を追わない人には関係ないもので、着こなしに技が必要な服のように勘違いされますが、実はそうでもありません。ほかのVネックやカーディガンは下に着るシャツを選ばなくてはいけませんが、タートルは一枚だけ着ればいいのでコーディネートが簡単。

なかでも白のタートルネックセーターは、どんなアウターやパンツとも相性が抜群で、清潔感漂う大人の休日コーディネートができる万能選手です。

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というわけで今回は白タートルネックのジェントルマンをピックアップしてみました。

トップバッターは、黒のライダースジャケットに黒デニムを組み合わせていますね。

このタイプのレザーブルゾンにありがちなワイルドな雰囲気が、インナーの効果でまったくありません。靴を白スニーカーにしたのもポイント。ここが、黒のブーツだとバイカーの雰囲気が強くなるので、このジェントルマンのようなスマートな感じは出ません。

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白タートルをよく見ると見頃は、ケーブル(縄目)編みになっているクラシックなデザイン。もちろんこの組み合わせなら、黒のタートルネックセーターでも似合います。特にぽっちゃり体型の方は、黒は着痩せして見えるのでいいかも。白は膨張色ですからね……。

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こちらのジェントルマンは、ビンテージ風のワークジャケットに白タートルネック。

先ほどのジェントルマンとはまたガラっと違うラギット(武骨)な雰囲気です。このようなスタイルを好む方は、インナーをデニムシャツとかダンガリーシャツにするのが一般的。このジェントルマンは、きっとそうした画一的なスタイルにすると、個性が出ないと考えたのでしょうか?

グレーの帽子、黒縁眼鏡、ひげとかなり個性的で強面になりがちですが、白タートルネックのおかげで優しい性格の人かも?と思わせるオーラが出ていますね。

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ジャケットを脱ぐとサスペンダーが!! サスペンダーは、クラシックなスーツのときにつけるものと考えている方もいらっしゃると思いますが、19世紀から20世紀初頭は多くのパンツがサスペンダーでつっていたようです。

1800年後半に作業着としてジーンズが生まれたときも、ベルトループがなくサスペンダーを使う仕様だったのですから。

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このジェントルマンの全身はこのような感じです。パンツは、ウール素材で白いストライプが入ったもの。ここをジーンズに替え帽子をかぶらなければ、比較的トライしやすいスタイルのはずです。

今回は前置きが長すぎましたね……。次回は冬本番のトレンドをお伝えする予定です。

乞うご期待!!

トレンドスナップのまとめはこちら>>

プロフィル
大西陽一(おおにし・よういち)
数々の雑誌や広告で活躍するスタイリスト。ピッティやミラノコレクションに通い、日本人でもまねできるリアリティーや、さりげなくセンスが光る着こなしを求めたトレンドウオッチを続ける。

Photograph & Text:Yoichi Onishi

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