特別インタビュー

ジャケットがこんなに楽しいなんて。
[渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。]

2020.05.08

500_02.04.20_ASM009_Q
装いを更新するなら採り入れやすく爽やかなブルーを。現代的なシルエットが洗練した印象をもたらす。ジャケット¥64,000/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン 0120-185-718

多才でいてファッションフリーク、渋谷直角の愛用品からそのセンスを探ってみる──。

若いころから、ジャケットを着るのは少し背伸びした、照れ臭い感覚があって苦手でした。大人になっても、職業柄もあってか、ほぼ冠婚葬祭でしかスーツも着ませんし、ずっとジャケットには慣れないまま。違和感なく着ることができるようになったのはここ数年。40代に入ってからです。自分も若くない年齢に入ったことで、単純に抵抗がなくなったのでしょう。それもまた楽しいことで。

でも若いときから憧れていた人たちは、いつもジャケットをカッコよく着こなしていた印象があります。たとえば安西水丸さん。サラっとアイビーっぽく着こなすジャケット姿はとてもオシャレでカッコよく、画風ともマッチしていました。

藤子不二雄Ⓐ先生もお会いしたとき、ピンクのマンモスが描かれたセーターにジャケットをはおっていて、ダンディーかつかわいさがあってすてきでした。

でも自分がジャケットを着るときに最も脳裏をよぎるのは、映画『恋愛小説家』のジャック・ニコルソンです。レストランで、ヒロインのヘレン・ハントとようやく二人きりでディナーをするシーン。それまでヨレヨレの格好だったのに、このときばかりはネイビーのジャケットにネクタイでビシッとキメてきた。そのジャック・ニコルソンがすごくカッコよくて! 観たのはずいぶん前ですが、本当に好きな人とのデートにジャケットを着て、おいしい食事を楽しむんだ、すてきなことが起きるぞという期待感や高揚感。自分もジャケットを着るとき、あのジャック・ニコルソンを思い出して、なぜかテンションが上がるのです(映画ではこのデート、大失敗に終わるのですが)。

今年は派手めのジャケットが欲しい。より明るい気分になって、外出が楽しくなると思うからです。ずっと着てこなかったぶん、余計にジャケットはウキウキするアイテムなのです。

掲載した商品はすべて税抜き価格です。

<<渋谷直角 男が憧れる、男の持ち物。忘れていたブーツの思い出。 はこちら

「アエラスタイルマガジンVOL.46 SPRING 2020」より転載

Photograph: Tetsuya Niikura(SIGNO)
Styling: Masahiro Tochigi(QUILT)

あなたへのおすすめ

トレンド記事

  1. 俳優・町田啓太と考える、装う美学。<br>ドルチェ&ガッバーナをまとう。【25年夏】

    俳優・町田啓太と考える、装う美学。
    ドルチェ&ガッバーナをまとう。【25年夏】

    週末の過ごし方

    2025.06.09

  2. 俳優・町田啓太と考える、装う美学。<br>マックイーンをまとう。【25年夏】

    俳優・町田啓太と考える、装う美学。
    マックイーンをまとう。【25年夏】

    週末の過ごし方

    2025.06.10

  3. 俳優・町田啓太と考える、装う美学。<br>ヴェルサーチェをまとう。【25年夏】

    俳優・町田啓太と考える、装う美学。
    ヴェルサーチェをまとう。【25年夏】

    週末の過ごし方

    2025.06.11

  4. シャンパーニュブランド「ヴーヴ・クリコ」が<br>富士山の麓で、おいしいピクニックを開催!

    シャンパーニュブランド「ヴーヴ・クリコ」が
    富士山の麓で、おいしいピクニックを開催!

    お酒

    2025.06.09

  5. 「万平ホテル」のアップルパイ。<br>すべて実食! 自慢の手土産 #148

    「万平ホテル」のアップルパイ。
    すべて実食! 自慢の手土産 #148

    接待と手土産

    2025.05.29

紳士の雑学