特別インタビュー

正しく使えば怖くない、SNSのイメージ・マネジメント
世界で恥をかかないために!
ビジネスマナー&イメージ戦略 第5回

2020.05.14

安積陽子

写真・図版

対面する前からあなたのイメージは作られている

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、自分のプロフィールや近況などを効率的に伝えることのできるコミュニケーションツールとして使われるようになり、ツイッターやインスタグラム、フェイスブック、LINEなどは、いまや私たちの生活に欠かせないものとなっています。

しかし、使い方を一歩間違えれば、あなたの信頼性や評判を失墜させるツールにもなり得るのがSNSの恐ろしいところ。近年、個人の発言が炎上し、その人が所属する会社まで巻き込まれてしまう事件が多々起きています。

企業の採用担当者が、応募者に関してオンラインサーチをして、SNS上の情報発信の内容から、職業倫理や守秘義務等を守れる人物かどうかや、誹謗(ひぼう)中傷、差別表現の有無等をチェックするのは当然の時代。SNS全盛時代のいま、初対面で会う相手は、面会前にあなたがオンラインで公開している情報をすべてチェックしていると思ったほうがいいでしょう。

アメリカの企業では、SNSが使われはじめた頃から、イメージトレーニングに関する研修プログラムのなかに「ソーシャルメディア・リスクマネジメント」を盛り込み、SNS利用の危機管理もトピックとしてよく取り上げてきました。特定のキーワードを登録すると、該当キーワードが含まれる情報をメールなどで通知してくれるGoogleアラートに、自分の名前等を登録しておくことを推奨しているほどです。

写真を思いつきでアップしない

みなさんは、自己満足的な情報を、思いつきでSNSにアップしていないでしょうか。写真を撮ったら、その場ですぐにSNSにアップする人がいますが、私のお客さまで、何げなく投稿した娘の晴れの日の写真に悪意のある書き込みをされ、その写真を拡散されてしまった方がいます。一度投稿してしまった情報は、簡単に拡散され収拾がつかなくなります。

家族写真などプライベートな写真は極力、公開範囲を限定しましょう。アプリやスマホの位置情報がオンになっていれば、撮影場所までもが特定されてしまいます。危機管理能力の欠如は、致命的なトラブルにつながりかねません。SNSで発信すべき情報と控えるべき情報を線引きして、明確なポリシーを貫くのが、仕事ができるビジネスパーソンの条件です。

さまざまなSNSがありますが、興味本位でアカウントだけ作って放置しておくのも危険です。知らぬ間に第三者があなたのアカウントに反倫理的なことを書き込んでいるかもしれません。そんなことになれば、自分を取り巻く情報をコントロールできていない証拠となり、仕事でも脇の甘い人だと思われてしまいます。

利用するSNSをひとつに絞り、きちんとマネジメントしていくことは、家族や友人という大切なもの守り、時間を効率的に使うことにもなるでしょう。

ひとつの「いいね!」が命取りになる

あなたが誰に「いいね!」をしたかは、一目瞭然ですから、他人の記事に対するコメントや「いいね!」にも注意が必要です。

以前、経営者のお客さまからこのような話を聞いたことがあります。軽く酔った状態でフェイスブックを開き、投稿写真だけ見て「いいね!」を押した記事内に、じつは差別的なワードが含まれていて、それが第三者によって発見されて拡散されてしまったのです。この経営者は記事の中身をよく読んでいなかったということですが、言い訳は通用しません。

セクハラ的な発言も同様です。前後の文脈を省いて、問題のひと言だけをスクリーンショットで撮るという、悪意ある行為を行う人もあります。特に責任あるポジションの方は、「たったひとつの『いいね』が命取りになる」という認識を強く持って、SNSを利用しましょう。

定期的に友人のスクリーニングをする

フレンドリクエストが来ると、相手のことをよく調べないまま承認していませんか?

SNSを使うには、その目的を明確にしておくことが重要です。自分の人脈を広げたいのか、自分の実績を親しみある形でPRしたいのか、それとも限られた友人や親戚との連絡ツールとして使いたいのか。

目的が明確になったら、それに見合ったフレンド(友人)を選ぶようにしましょう。SNSとは、フレンドありきのコミュニティサービスで、フェイスブック上の友だちは、あなたにとって大切な資産です。それを守ることがSNSを使うビジネスパーソンの重要な役割なのです。

そこで、SNSでつながる友人を、定期的にスクリーニングすることが必要になってきます。

危ない人とつながっている人や、スパムメールが送られてきそうな人は、友達リストから削除しましょう。容赦ないようにも思えますが、家族や友人、会社を守るために必要な管理です。特に業種が変わるときは注意が必要です。業種によって情報公開のルールが違うことを知らず、それまでの方法でSNSに投稿したことがルールに触れてしまい、問題になった人もいます。

SNSは皆さんの名刺となり得るツールです。ご自身のリブランディングのためには仕事や家庭での環境が変わった段階で、いったん過去の投稿を見直して、最善の状態にアップデートしてはいかがでしょうか。

安積陽子(あさか・ようこ)
アメリカのシカゴ生まれ。ニューヨーク州立大学でイメージコンサルティングの資格を取得。2005年、Image Resource Center of New York社で各界の著名人への自己演出トレーニングを開始。09年、同社の日本校代表に就任。16年、一般社団法人国際ボディランゲージ協会を設立、非言語コミュニケーションのセミナーや研修、コンサルティングを行う。著書に『CLASSACT(クラス・アクト)世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』『NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草』がある。

Illustration: Michihiro Hori

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