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腕時計

挑戦の歴史。PROSPEX“Keep Going Forward”モノ語り

2020.07.10

挑戦の歴史。PROSPEX“Keep Going Forward”モノ語り
セイコー プロスペックス SBDC101 ¥143,000(税込)(税抜¥130,000)

ダイバーズウオッチをはじめとし、トレッキングやアウトドアなど、プロ仕様の実用性を追求した本格スポーツウオッチブランドがセイコー プロスペックスである。そのプロスペックスのオリジンとなる1965年に発売した国産初のダイバーズウオッチに現代的な解釈を加え、復刻させたモデルが注目を集めている。そこで今回は、セイコー プロスペックスに宿る「Keep Going Forward(常なる前進)」の精神によって生み出された過去の名作ダイバーズウオッチを振り返りつつ、世界的な冒険家たちの評価を得るまでに至る進化の道筋を見ていきたい。

1965年 進取の精神が生み出した国産初ダイバーズウオッチ

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1965年 国産初のダイバーズウオッチ誕生

世界的にもダイバーズウオッチはごく少数の海外ブランドしかなかった1965年に、セイコーは150mという高度な防水性を実現したダイバーズウオッチを発売。このモデルの誕生は、セイコーにおけるダイバーズウオッチの先駆けであり、ブランドの黎明期から挑戦の精神を体現したのである。南極の過酷な環境下で使用され、その後、多くの冒険家や探検家がこのダイバーズウオッチを着用し、国産ダイバーズウオッチの実用性が現場レベルで磨かれることになった。

1960~70年代 600m飽和潜水という難題を果敢にクリア

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    1968年 世界最高水準のメカニカルハイビート(10振動)300m防水ダイバーズウオッチ
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    1975年 世界初、チタン製ケース採用の飽和潜水仕様600m防水ダイバーズウオッチ

初出のダイバーズウオッチにおいて一定の成果を収めた開発チームだが、現状に甘んじることなく研究開発は続けられた。1968年には国産初となる10振動ムーブメントを搭載したダイバーズウオッチの発売に至る。外部からの衝撃などにより乱れがちな時計精度を、調速機構の振動数を高めることで解決したのである。

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写真提供 文藝春秋

その世界クラスの信頼性から、冒険家・植村直己氏は1970年のエベレスト登頂にこのモデルを携行し、堅牢性が証明された。さらに注目すべきモデルとして、1975年発売の世界初のチタン製ケースを採用した600m飽和潜水仕様のダイバーズウオッチも見逃せない。のちにセイコー ダイバーズウオッチのアイコンとなる“外胴構造”は、裏ぶたのない一体型ワンピース構造を特徴としており、世界最高峰の耐久性を誇っていた。当時のダイバーズウオッチは、300m防水が一般的とされるなか、その2倍を誇る600m飽和潜水仕様のダイバーズを完成させ、世界の話題をさらったのだ。

1980年代 1,062mという未知の深海から無事帰還

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©Jamstec

世界初となる600m飽和潜水仕様のダイバーズウオッチは、比類のないスペックの高さを実地テストにて証明した。成功の起点となったのはセイコー独自の特殊ケースにある。繰り返されるトライ&エラーのなかで生み出された外胴構造こそは、諦めずに挑戦しつづける開発チームの意地そのものだ。1983年に海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)の潜水調査船「しんかい2000」において、600mの潜水仕様を遥かに超える水深1,062mでの耐水圧性能を実現し、無事帰還を果たすという快挙を成し遂げた。

2000年代 深海から最高峰を経て世界トップに輝く

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    2005年 世界初「スプリングドライブ」を搭載した飽和潜水仕様のダイバーズウオッチ
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    2013年 史上最高齢80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏監修によるモデル

2000年代に入り、セイコー プロスぺックス「Keep Going Forward」の精神をさらに発展させ、より一層の進化をとげている。2005年には世界に類を見ないセイコー独自のスプリングドライブを完成。機械式、クオーツ式の両者の長所を採り入れた、その夢のムーブメントを600m飽和潜水仕様のダイバーズウオッチにも搭載させたのだ。

2013年には日本を代表する登山家、三浦雄一郎氏監修による「ランドマスター スプリングドライブ」を発売し、大いに注目を集めた。また2014年には、海洋研究開発機構「JAMSTEC」の協力により、無人探査機「かいこう7000Ⅱ」による潜水実験を敢行。ついに深度3,000mという超深海での稼働を確認。開発チームの長きに渡るチャレンジ魂が報われた瞬間である。

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2019年 ジュネーブ時計グランプリ「ダイバーズウオッチ」部門賞を受賞したLXラインのダイバーズウオッチ

そのたゆまぬ努力が世界的に認められ、セイコー プロスペックスのダイバーズウオッチは、時計のアカデミー賞と言われるジュネーブ時計グランプリで、2018年に「スポーツ」ウオッチ部門賞、2019年に「ダイバーズウオッチ」部門賞を連続受賞するという栄誉を獲得。2019年の受賞モデルは、セイコー プロスペックスのなかでもハイエンドシリーズである「LX(ルクス)ライン」のスプリングドライブダイバーズウオッチ。熟練のザラツ研磨によるチタンケースに加え、インデックスの形状やベゼルとのバランスまで緻密にデザインされているのが特徴だ。「Keep Going Forward」の考え方は、機能性のみならず美観という分野にまで及んでいるのだ。

国産初のダイバーズウオッチを現代的にリニューアル!

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1965 メカニカルダイバーズ現代デザイン SBDC101 ¥143,000(税込)(税抜¥130,000)
※掲載商品はセイコーグローバルブランド コアショップのみのお取り扱いです
商品の詳細はこちら

セイコー プロスペックスのオリジンとなった1965年発売の国産初ダイバーズウオッチ。その歴史的ピースをベースに、現代の技術にて随所にリニューアルを加えた注目の新作が登場。回転ベゼルや視認性を考慮したインデックスなど、オリジナルをほうふつとさせるデザインが特徴。また、重心を下げることで安定した装着感を実現させたケースは、堅牢性に相反するスリムな13.2mm厚。高い防水性と、70時間の駆動を可能にした実用性など、長時間の着用でもストレスを感じさせない。まさにセイコー プロスペックスのKeep Going Forward精神を受け継ぐニューカマーだ。

問/セイコーウオッチ株式会社 お客様相談室 0120-061-012(9:30~17:30 土日祝日を除く)

<<第二回
「Keep Going Forwardは新しい着こなしにも。いま、PROSPEXの腕時計を選ぶ理由」はこちら

<<第三回
「大谷翔平に学ぶ、挑戦することの意味。
スポーツマインドがPROSPEXに宿る」はこちら

text:Tsuyoshi Hasegawa (04)
Photograph:Tetsuya Niikura(SIGNO)
Direction:Teruhiro Yamamoto(YAMAMOTO COMPANY)

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