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スーツケースはどう選ぶ?
素材やサイズ、おすすめブランドを解説

2020.09.25

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ビジネスおよびプライベートな旅において、スーツケースは必ず用意しておきたいマストアイテム。スーツケースは必要に迫られてあわてて購入するのではなく、普段からお気に入りを使い込み、愛着のある存在にしたいものです。

この記事ではスーツケースの種類やサイズ、おすすめのブランドなど、スーツケースを選ぶうえで参考になる情報を解説していきます。

スーツケースの素材

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スーツケースの種類には、大きく分けて2種類があります。ひとつは「ハードタイプ」といわれる強化プラスチックやABS樹脂、ポリカーボネートなどで作られたもの。もうひとつは「ソフトタイプ」といわれる強度の高い生地で作られているものになります。ほかには合成皮革のものも、広くいうとソフトタイプに含まれます。

ハードタイプ

日本において人気なのは、ハードタイプのスーツケース。その理由としては海外旅行に出かけるときにも頑丈なので安心で、デザイン性も優れていると考えられているからです。ハードタイプのスーツケースの素材には、強化プラスチックやABS樹脂、ポリカーボネート、アルミ合金などが使われています。

なかでも、安価で軽量な強化プラスチック製のものが昨今の主流になってきています。ハードタイプのスーツケースを持つメリットとしては、表面が頑丈で中身に衝撃が伝わりにくい、セキュリティー性が高い、防水性に優れていて雨などで濡れても安心、デザイン性の高いものが見つけやすいなどといったところです。一方で、ハードタイプのスーツケースのデメリットとしては、表面に傷がつきやすくソフトタイプと比べると重量があり、柔軟性がないので収納できる量に限りがある、外ポケットがついていないことが多くて不便などという点が挙げられます。

ソフトタイプ

海外で主流なのが、丈夫なナイロン素材やポリエステル素材の生地で作られている、ソフトタイプのスーツケースです。特にアメリカにおいては、ハードタイプのスーツケースを持っている人はわずかです。日本人の感覚からすると、ソフトタイプスーツケースは雨に弱そうで、すぐに汚れてしまいそう、中身に悪影響がありそうなど、あまりいいイメージはないかもしれません。さらに、海外旅行の際「ソフトタイプのスーツケースをナイフで切り裂かれて、中身の貴重品を盗まれてしまった」という話を聞いたことがあるという人もいるでしょう。そのため、どうしてもソフトタイプのスーツケースでは、心もとないように思えてしまいます。

しかし海外ではこちらが主流であり、ソフトタイプのスーツケースにはメリットもたくさんあるのです。まずは値段がリーズナブルで重さも軽量、布製で柔軟性があるためたくさんの荷物を詰め込むことが可能、便利な外側ポケットがついている、表面の傷が目立ちにくいなどがソフトタイプのスーツケースのメリットです。逆にデメリットとしては防水性が弱く、衝撃にも弱いので中身が破損したりすることもある、おしゃれなデザインのものが少ない、そしてやはり鋭利なもので傷つけられやすいということが挙げられます。

しかし実際のところ、鋭利なもので引き裂かれるのは、ハードタイプのスーツケースでもあり得ることなのです。

ファスナータイプとフレームタイプ

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スーツケースの開け方には、大別して「ファスナータイプ」と「フレームタイプ」の2種類があります。まずファスナータイプのスーツケースですが、その名のとおりフレーム部分にファスナーがついていて、大きく開くことができるタイプです。ファスナータイプだと軽量になり、持ち運びしやすいのがポイント。そのほかのメリットとしては、ゆがんだり変形したりしにくいこと、ファスナーを全開しなくても少しだけ開けて必要な荷物を取り出すことができることなどが挙げられます。逆にファスナータイプのスーツケースのデメリットは、フレームタイプと比べて少々セキュリティ面で不安があることでしょう。

一方フレームタイプのスーツケースは、こじ開けられにくく防犯面で優れています。密閉性も高くフレームによって強度が生まれるため、丈夫な作りになっていることもメリットです。デメリットとしてはファスナータイプのスーツケースよりも重量が重くなってしまう点と、ちょっと中身を取り出したいときにもスーツケースを全開しなければならないという点。ファスナータイプもフレームタイプも、それぞれにいい部分も悪い部分があります。よく比較検討して、自分の好みに合ったタイプを選びましょう。

二輪と四輪

スーツケースの車輪の種類には、二輪と四輪があります。男性が持つような大型のスーツケースは、ほとんどが四輪になっています。取り回しがいいことも、四輪のメリットです。ただし車輪が多いぶん重量も重くなってしまうので、四輪を選ぶ際には注意することが必要です。二輪タイプは、女性が持つような小型のスーツケースに多く見られます。しかし男性が持ったらおかしいというわけではなく、四輪と比べて軽いため気軽に持つことが可能になります。取り回ししづらいのがデメリットです。

スーツケースの車輪といえば、ゴロゴロガラガラという騒音が気になるものです。特に早朝や深夜にスーツケースを持ち運ぶときには、騒音を立てることが気になるという人は多いでしょう。そんな人のために、最近では「静音タイプ」の車輪も多く出回ってきました。スーツケースを動かす際の騒音が軽減される、ありがたい設計になっているタイプです。

サイズ

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ひと口にスーツケースといっても、小型のものから大型のものまで、さまざまなサイズがあります。かといって大中小とスーツケース数個を所有するのは、普段収納しておくのも大変です。自分のライフスタイルや使う用途によって、ちょうどいいスーツケースのサイズをチョイスして購入することが必要です。

宿泊の泊数を考える

普段の出張や旅行では、何泊することが多いでしょうか。それによって着替えなど荷物の量も変わってきます。1泊するのか10泊するのかでは、スーツケースのサイズはまったく違うものになるでしょう。

一般的には、1泊につき約10リットルの荷物が必要になるといわれています。自分の荷物の量が何リットルか知るには、あらかじめ必要な荷物を用意して、リットル数が表示されているゴミ袋に入れてみるという方法があります。

寒い国や地方に出向くとき、あるいは冬の時期だとニットや厚手の上着などの洋服類が増えるでしょうし、旅行なのか帰省なのかといった出かける目的によっても荷物の量は変化するものです。ですから「1泊=10リットル」というのはあくまでも大まかな目安とし、自分に必要だと思われるサイズのスーツケースを選ぶのがいいでしょう。

どうしても心配が残るならば、自分の荷物の量よりもちょっと大きめのスーツケースを購入しておけば、大は小を兼ねてくれます。ファスナーを開ければマチができてサイズを変えられる拡張可能式のスーツケースならば、さらに便利に使うことができますね。サイズを変えられないスーツケースしかなく、帰りにお土産品などで荷物が大幅に増えることが予想される場合には、折りたたみできるバッグをスーツケースの中に入れておくというのもひとつの方法です。

飛行機の機内に持ち込むか預けるかを考える

飛行機で移動するような出張や旅行の場合には、スーツケースを搭乗前にカウンターで預けることができます。一定のサイズを超えたスーツケースは、機内に持ち込むことができないので、大きなサイズのものは必然的に預けるということになるでしょう。ただし、既定のサイズを超過したスーツケースを預けるためには、追加料金がかかります。大きめのスーツケースの購入を検討している人は、この点にも注意することが必要になってきます。

機内持ち込みする場合にも、持ち込めるスーツケースのサイズには規定があります。国内線か国際線かLCCかによっても規定は異なるので、事前に確認してからスーツケースを準備するのがいいでしょう。機内にスーツケースを持ち込めば、自分で管理できるので安心できます。到着後にターンテーブルの前で自分のスーツケースが出てくるのを長々と待ったり、紛失や破損されたりする恐れもなくなります。反対に預けておけばスーツケースを持ち歩く必要がなくなり、身軽に飛行機に乗ることができます。またトイレに立つ際にも、その隙に盗難被害に遭わないかなどの余計な心配をしなくて済みます。

TSAロック

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TSAロックをご存じでしょうか。TSAロックというのは、アメリカ合衆国国土安全保障省から許定を受けたロックシステムのことを指します。アメリカ領土内で有効となり、税関検査員がスーツケースの中身を確認するときに、特殊なマスターキーを使用してTSAロックを開けることができるというものです。

現在アメリカ領土内のすべての空港では、国内の移動や出国の際に預け手荷物を必ず検査することと定められています。そのためTSAロック以外のスーツケースの場合、あらかじめ解錠してから預けなければならないのです。それでは心配なので、アメリカに行く際にはTSAロックのスーツケースを持っていくことをおすすめします。TSAロック以外のスーツケースがX線検査によって不審物が発見された場合などには、税関検査員が緊急でスーツケースの中身を確認しなければならない際に、大切な錠を壊されることがあります。そのためアメリカ渡航には、TSAロックが推奨されています。

スーツケースのおすすめブランド

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スーツケースには定番ブランドや人気ブランドなど、たくさんの種類があります。ここからは、スーツケースのおすすめブランドについて説明していきます。

RIMOWA(リモワ)

RIMOWA(リモワ)は120年以上の歴史を誇る、老舗のスーツケースのブランドです。1898年の創業以降、ビンテージな木製からクラシカルなアルミニウム製、そしてハイテクなポリカーボネート製へと進化を遂げてきました。3世紀にわたる歴史のなかで、リモワにはさまざまな変化がありました。しかしその真髄は変わることなく守られています。それは、旅を愛する人に最高のトラベルソリューションを提供するということです。

そんなリモワのスーツケースには、もちろんTSAロックが搭載されています。スーツケースは個別に検査され、灼熱のアラブから極寒のアイスランドまで、抜群の耐久性を証明しています。軽くて丈夫、持ち運びがしやすいこともアピールポイントのひとつとしている、信頼のスーツケースブランドです。

Samsonite(サムソナイト)

旅行好きな人で、Samsonite(サムソナイト)というブランド名を知らない人はまずいないでしょう。そのくらい定番の、スーツケースのブランドです。サムソナイトには110年の長い歴史があり、変わりゆく人々のライフスタイルや旅行者のニーズに応え、機能的でありながらもデザイン性の高いスーツケースを開発しつづけています。「サムソナイト」ブランドには「サムソナイト・ブラックレーベル」という、ワンランク上のラグジュアリーなレーベルもあります。上質な日常や旅のスタイルにこだわりを持つトラベラーやビジネスマンに向けた、高級志向のプレミアムブランドです。

また「ハートマン」というのもサムソナイト傘下のブランドで、1877年にトランク職人のジョセフ・S・ハートマンによってアメリカで創業されました。エレガントなスタイルと考え抜かれた機能性の融合が、ハートマンのスーツケースのこだわりです。サムソナイトはハードタイプのスーツケースというイメージですが、ハートマンには生地製のソフトタイプのものも多くあります。

GLOBE-TROTTER(グローブ・トロッター)

優れたイギリスのスタイルの代名詞ともいえる、GLOBE-TROTTER(グローブ・トロッター)はハンドメイドのスーツケースとレザー製品を製造する、ラグジュアリーなトラベル・ライフスタイル・ブランドです。創業は1897年のドイツで、1932年にイギリスに拠点を移しました。現在グローブ・トロッターのスーツケースやアクセサリーは、イギリスのハートフォードシャーで生産されています。ヴィクトリア朝時代からの製法と機械を用いて熟練職人がひとつひとつハンドメイドしているという、非常にぜいたくなブランドです。「妥協なき完全なクラフトマンシップの追求」というブランド哲学は、120年以上前から変わっていません。

クラシックでありながら現代的なグローブ・トロッターのスーツケースは、きわめて強度が高く軽量で、しかも独自の美しさを備えています。旅を重ね使い続けるうちに、その美しさはいっそう増していきます。クラシックでエレガントなスーツケースをお探しの人に、とてもおすすめのブランドです。

ZERO HALLIBURTON(ゼロハリバートン)

ゼロハリバートンは、1938年にスタートしました。旅行者にアルミ製のスーツケースの強度と安全性を紹介した、最初の会社になります。創業者のアール・P・ハリバートンが個人のコレクションとして作っていたアルミニウム製のケースが話題を呼び、南カリフォルニアに拠点を置く「ハリバートンケース」社の創業に至りました。

アルミ製のスーツケースはすぐに大人気になり、1940年にはハリウッド女優・歌手のマレーネ・ディードリヒが、旅行にハリバートンのスーツケースを携行している様子がカメラに収められたほどです。ハリウッドとの関係は日に日に深くなり、いままでに300本以上もの映画やTVに登場することになりました。そして世界中のセレブリティーから人気を博すこととなり、アメリカのファッション雑誌「VOGUE」にイラストで登場したことでも話題を集めました。いまでもアルミ製のスーツケースは、ゼロハリバートンブランドの定番人気商品。セキュリティー面でも優れており、クラシックかつモダンなスタイリッシュデザインがその人気の秘訣です。

TUMI(トゥミ)

TUMI(トゥミ)は、1975年にアメリカで設立されたブランドです。トゥミという社名の由来は南米の青年平和部隊のボランティア活動に参加した創業者が、ペルーの偶像「トゥミ」にちなんで名付けたことに始まります。1980年代に発表した、ソフトで機能性に優れた黒一色の革新的なバリスティックナイロン製スーツケースの成功により、成長の礎を築きました。

そのためいまでもトゥミのスーツケースは、海外で人気のあるソフトタイプのものが代表的です。バリスティックナイロンは軽くて丈夫なため、ソフトタイプのスーツケースでも安心感があります。

RONCATO(ロンカート)

イタリアの老舗スーツケースブランド、RONCATO(ロンカート)。1950年にイタリアで創業されました。BMWやVolkswagenなどの車両関係から幅広い業界にクライアントを持つイタリアの工業デザイナー、ランバート・アンジェリーニがデザイン設計しています。極限まで軽量かつ安全なハードタイプのスーツケース作りを追求し、素材選び・デザイン・機能性に至るまですべてにこだわったスーツケースブランドです。

ロンカートは日本人に人気の高い、ハードタイプのスーツケース作りを得意としています。イタリアらしく洗練されたデザインと、ハードタイプならではのセキュリティー面での安心感が魅力です。

スーツケースの収納方法

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大きくてかさばるスーツケースの収納場所には、誰もが頭を悩ませるものです。スーツケースは使っていない間、どこに収納するのがいいのでしょうか。

ロフトなど広い収納部屋

いちばん多いのが、広めの収納部屋や大きなクローゼットに収納するという方法です。出張や海外旅行の頻度がそれほど高くない人ならば、ロフトに上げてしまったら部屋をすっきり広々と使うことができます。スーツケースはかさばるし大きなものなので、普段は見えないところに収納するのが理想的です。収納スペースがもったいないと感じるときは、シーズンオフの洋服や小物類を入れて、スーツケースごと収納するというのはいかがでしょうか。

見せる収納

旅に出かける機会が多い人は、ロフトやクローゼットの奥などにスーツケースを入れてしまっては、出し入れするのがたいへんになります。そういうときには、思い切って「収納しない」という方法があります。デザインのいいお気に入りのスーツケースならば、普段の生活でなじんでいれば邪魔だとは感じないはず。そのためには、自分の部屋のインテリアに合致する色合いのスーツケースを選んで購入することもポイントです。

レンタルならば収納の必要がない

大きなスーツケースを収納できるような広いクローゼットもロフトもなければ、見せる収納をしても邪魔になる……。あまり広くない部屋に住んでいるなら、そんな不満を持つ人も多いでしょう。思い切ってスーツケースはレンタルすると決めてしまうのも、ひとつの方法です。出張や旅行のたびに「今回の旅は2泊だけだから、ちょっと小ぶりのスーツケースをレンタルしよう」などといったように、自由が利くこともいいですね。もちろん使用したスーツケースは返却してしまうので、普段の収納場所に頭を悩ませることもありません。

まとめ

旅には欠かすことのできないアイテム、スーツケースについてまとめました。スーツケースはたくさん所有するものではなく、頻繁に買い替えるものでもありません。本当に気に入ったデザインやタイプのものを、よく吟味して選ぶことがポイントになります。この記事で紹介したスーツケースブランドのものならば、デザイン性だけでなくセキュリティーや機能性にも優れているものが多いので、ぜひ参考にしてください。

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