調べ・見立て(見立て)
オンライン飲み会が楽しくなる主催者のテクニックとは!?
編集長の「見立て」。#44
2021.06.23
正直にいえば、昨年の春に「オンライン飲み会」という言葉を初めて聞いたときには、違和感を覚えたものです。「それって、ほんとうに楽しいの?」という素朴な疑問と、「デジタルネイティブな若い人たちの泡沫的な流行でしょ」という思い込み。それでも、コロナ禍のステイホーム時に誘われたオンライン飲み会に私自身も恐る恐る参加してみて、その楽しさを実感したのです。
大学を卒業して以来お目にかかっていなかったサークルの先輩との数十年ぶりの再会。遠く離れて海外に暮らす友人とのやり取り。これらは、「オンライン飲み会」だからこそ実現できたわけです。
アエラスタイルマガジンの「調べ」アンケートで「あなたはオンライン飲み会をしたことがありますか?」と問いかけてみたところ、「以前からやっていた」8%、「コロナ禍をきっかけに行うようになった」45%と、約半数の読者が経験有りと回答しました。昨年の同時期に同じ調査をしたときには、「以前からやっていた」6%、「最近になってするようになった」39%という数字でしたので、オンライン飲み会の経験者が増えているのがわかります。
「オンライン飲み会のときに気を付けていることは?」のアンケート結果を見ると、「映っている場所や背景」37%と、「服装や身だしなみ」24%が上位の回答となりました。普段は見せない自宅のプライベート空間や部屋着が、画面に映し出されるのですから、当然の結果と言っていいでしょう。私自身の場合は、リビングルームは間接照明しか使っていないため、顔が暗くならないように、必要以上にムーディにならないように、ランプの近くでPCを開くように心がけました。「発言する順番や間合い」に気を付けると回答した読者も、12%に上ります。確かに、オンライン飲み会での発言の間合いは難しいものです。大人数が参加するリアルな飲み会では、こちらの三人はこの話をしていて、あちらの二人はまた別の話をしているといった状況がよくあります。オンライン飲み会ではシステム上それが難しく、ひとつの話題に全員が参加することになるからです。
オンライン飲み会のメリットとデメリットを尋ねたアンケート結果からも、それが読み取れます。45%もの読者が、「会話がうまくいかない」ことをデメリットと考えているのです。この問題を解決するためには、オンライン飲み会の主催者が司会的な役割をするのがコツです。「〇〇は最近の調子どうなの?」と参加者に順々に話を振っていくスタイル。これはオンライン飲み会だけでなく、仕事上のオンライン会議でも有効でしょう。
13%がメリットと答えた「時間を気にしなくてもいい」は、23%がデメリットと答えた「時間を気にせずダラダラと飲んでしまう」と表裏一体の関係です。お店の閉店時間や帰宅の手段を気にしなくていいからなのでしょうか、参加者の誰も終わりを言い出さなくて気が付いたら真夜中というパターンもあります。「そろそろ今日は終わりにして、次回はいつにしますか」といった具合で、ここでも主催者の仕切り力が問われています。主催者が宣言しない場合は……。私が参加したオンライン飲み会で先輩がとった、上級テクニックをお伝えしましょう。「PCの電源が切れそうなので、今日はそろそろ失礼しますね」と言って飲み会を抜けるのです。「飲み物を取ってきます」と言ってそのまま画面に戻ってこないフェードアウトを得意とするタイプの人もいますが、「抜ける宣言」をしたほうが、ほかの参加者にも終了を促す効果もあります。新しい時代の新しいスタンダード。これからも進化していくマナーやルールを注視していきたいと思います。