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スーツにスニーカーを合わせるのってあり?
6つのルールを押さえておけばOK!
2023.08.30(最終更新:2023.11.08)
スーツスタイルといえば革靴が定番ですが、昨今ではビジネススーツに似合うスニーカーも多数発売されています。この記事では、ビジネススーツに合わせるスニーカーのコーディネートとそのブランドなどを解説します。
ビジネススーツにスニーカーはアリ?
「そもそもビジネススーツといえば革靴じゃないの? スーツとスニーカーは似合わないのでは?」という声もあるでしょう。スニーカーといえば明るい色合いのものが多く、シックに仕上げたいビジネススーツとは相性がよくないように見えます。
しかし2018年よりスポーツ庁がスニーカー通勤を推奨。スーツの着こなしを邪魔しない黒色のものなど、スーツスタイルに合うスニーカーが多数発売されるようになりました。
もちろん最初は「スーツにスニーカーは抵抗がある」という声が多かったのですが、「ビジネススタイルが都会的で洗練されたものに仕上がる」という意見も。ただしどんなスニーカーでもいいというわけではなく、スーツスタイルに合ったものを選ぶ必要があります。
ビジネスシーンに合うスニーカーの条件
ビジネススーツとスニーカーは、じつは意外といい組み合わせであり、都会的でサッパリとした雰囲気を演出することができるのです。それでは次に、「ビジネスシーンに合うスニーカーの条件」について考えてみましょう。
とにかくシンプルであること
ビジネススーツに合わせるスニーカーを選ぶポイントは、「主張の強くないシンプルなものを選ぶ」ということです。あくまでもビジネスシーンでの服装であることを考えると、スニーカー自体が主役になってはいけません。全体のシルエットを崩さないシンプルなものを選びましょう。
例えばダッドスニーカーやハイテク系は、トレンドのひとつになっていますが、ビジネススーツと合わせるにはふさわしくありません。スーツと合わせるにはスニーカーの主張が強すぎて、悪目立ちしてしまうからです。
シンプルなローテクスニーカーであれば、上品さを崩すことなくコーディネートにマッチします。まずは「スーツスタイルとの調和」を念頭に置き、全体のシルエットをイメージしながらスニーカーを選びましょう。
レザー製かつベーシックカラーであること
スニーカーにはキャンバスやナイロンなどさまざまな素材がありますが、ビジネスシーンに相性がいいのがレザー製のスニーカーです。
レザー製のスニーカーであれば、レザーシューズ感覚で採り入れることができ、着こなしの上品さを損なうことがありません。
また先ほども少し触れたとおり、ビジネススタイルに合わせるスニーカーにインパクトは不要です。ブラックやホワイト、ネイビーのようなベーシックカラーがベストな選択肢と言えます。「いかに全体のシルエットを崩さないか」が重要です。
機能性に優れたものであること
せっかくスニーカーを履くのですから、機能性に優れたモデルにこだわるのもいいでしょう。
例えば高品質のインソールで、足の疲れを軽減するようなモデル。特に営業など外回りが多い職種では、こうした機能性に優れた靴は魅力的です。足の疲れを気にせず外回りをこなせば、仕事にもいい影響が出るかもしれません。
もうひとつの代表的な機能として人気なのが防水・撥水です。基本的に革靴は水に弱く、雨の日などはとても不便です。防水加工が施されたスニーカーであれば、靴が水に濡れることを心配することなく、外回りをこなすことができます。
コストパフォーマンスに優れたものであること
革靴は一般的には高額であり、長く履けるものをセレクトする人は多いでしょう。しかしスニーカーは革靴に比べると安価ですので、コストパフォーマンスに優れたものを選ぶのが賢明です。
例えばアディダスのスニーカー「アドバンコートベースEOT69」のようなモデルは、数千円で購入することができます。デザインはごくシンプルで、ブラックやホワイトなどの色も揃っています。
コート系シューズとして製作されたモデルは、履きやすさはもちろん、長期間の使用にも耐えることができます。1万円以下で購入できるもののなかにも、優れたモデルはたくさんあります。こうした価格帯のスニーカーも選択肢のひとつとしておすすめです。
なるべくバンプが長いものであること
「バンプ」とはつま先から靴ひもの1列目までの部分を指します。
一般的に革靴はこのバンプが長いといわれています。つまり数あるスニーカーのなかでも、「バンプが長いものほど革靴に近い」ということができます。なるべくバンプが長いものをセレクトし、スーツと合わせてみましょう。
90年代にヒットしたスニーカーは、バンプが短いという特徴がありました。現在はスニーカーでありながら、バンプの長い革靴ライクなものも多数発売されています。
革靴スニーカーを選択するのもアリ
革靴スニーカーも選択肢のひとつといえます。革靴スニーカーとは、名前のとおり、「見た目は革靴だが実際はスニーカー」という靴です。
スポーツ庁がスニーカー通勤を推奨したこともあり、各ブランド・各メーカーが、革靴の形を模したスニーカーを開発しています。見た目は完全に革靴ですが、履いた瞬間スニーカーだとわかる履き心地を実現しています。
革靴スニーカーを選ぶメリットは、「とにかく見た目が革靴なので、スーツスタイルと合わせてもまず失敗しない」ことです。スーツとスニーカーを合わせるセンスに自信がない人は、ひとまず革靴スニーカーを購入するのがいいかもしれません。
スーツとスニーカーのコーディネート例
それでは実際に、スーツとスニーカーのコーディネートにはどのようなケースがあるのかを確認していきましょう。
白や黒のスニーカーを採り入れたジャケパンスタイル
これはカッチリしたビジネススタイルというよりも、オフィスカジュアルに近いコーディネートですが、ジャケパンに白や黒のスニーカーを合わせるのが定番スタイルのひとつです。
ジャケパンスタイルとは、「ジャケットとパンツ」を略した言葉であり、別々のジャケットとスラックスを合わせたスタイルを指します。スーツといえば上下そろったデザインが主流ですが、ジャケパンスタイルは、「少しラフにしつつも崩さない」という絶妙なバランスのコーディネートです。
例えばネイビーのジャケット、ダークグレーのスラックス、そして白のスニーカー。インナーを白の無地にすればスニーカーとの統一感も取れますし、黒のスニーカーとスラックスを合わせて、ブラックで全体を引き締めることもできます。
ダークトーンでまとめたスーツスタイル
ダークグレーのスーツにブラックのスニーカー合わせたコーディネートです。全体的にダークトーンでまとまっているため、たとえスニーカーを履いていたとしても、カジュアルになりすぎないところが特徴です。シックに仕上げたいという人にはうってつけのコーディネートといえるでしょう。
ポイントとしては、ダークグレーのスーツを選ぶ際に、「なるべく黒に近い暗めな色をセレクトする」ということです。あまりにもグレーに近い色を選んでしまうと、黒いスニーカーがシルエットから浮き出てしまい、統一感のない着こなしになってしまいます。
一歩進んだ着こなしとしては、足首がちらっと見えるテーパードパンツと合わせるコーディネートです。特に夏などに有効な着こなしで、ちらりと見える足首が爽やかさを演出してくれます。
ネイビーのスーツと白スニーカー
ここまで全体的に暗い色のスニーカーを推奨していましたが、「ネイビーやグレーのスーツ」と「白スニーカー」を合わせるコーデも存在します。ダークトーンで固められたシルエットに、真っ白なスニーカーがアクセントとして際立つスタイルです。
実は2018年に「スニーカー通勤」を推奨した、当時スポーツ庁長官である鈴木大地氏も、このような「スーツ×白スニーカー」という着こなしをして話題になりました。特に夏に相性のいいコーディネートですね。
白スニーカーと合わせる際の注意点は、「とにかくスニーカーを清潔に保っておくこと」です。ブラックなどの暗い色に関しては、多少の汚れは気になりませんが、ホワイトのスニーカーではあればそうもいきません。メンテナンスを怠らないようにしましょう。
スーツ×革靴スニーカー
いつものスーツに革靴スニーカーを合わせるのもおすすめです。
このコーディネートをするメリットは、とにかく「失敗がない」ということ。革靴スニーカーの見た目は革靴なので、今までと同じようにコーデを組むことができ、「色が合わない」「スニーカーのスタイルが合わない」というような失敗がありません。
ポイントとしては「なるべくしっかりとした品質の革靴スニーカーを選ぶことです。価格帯の安い革靴スニーカーのなかには、作りが甘く、雑なディテールが悪目立ちしてしまうものもあるため、注意が必要です。
グレーの統一スタイル
先ほどダークトーンでまとめるスタイルを紹介しましたが、こちらはより明るい色であるグレーを使ったスタイルです。つまりグレーのスーツにグレーのスニーカーを合わせるという統一スタイルで、ドレスとカジュアルのいいとこ取りを狙います。
グレーという色はご存じのとおり、「黒」と「白」の中間です。つまりドレッシーなものを象徴する黒と、カジュアルなものを象徴する白の中間色。フォーマルなものからは少し崩すものの、カジュアルにはなりすぎない、絶妙な色なのです。
グレーのスニーカーは、一般的には品ぞろえが豊富で、さまざまなメーカーやブランドから発売されています。スーツと完全に統一してもいいですし、スーツから1段階明るい色を選んでアクセントとしてスニーカーを合わせるのもいいでしょう。
スーツ or ジャケパン×レザースニーカー
スーツやジャケパンスタイルに、ほどよい光沢のあるレザースニーカーを合わせるのもいいでしょう。例えばダークグレーのスーツに、ブラックレザースニーカーを合わせたスタイル。スタンダードな装いでありながら、ブラックレザースニーカーがアクセントとなり、おしゃれな着こなしになります。
ジャケパンスタイルでも同様で、ジャケットとスラックスはダークトーンの色で統一し、そこにブラックレザースニーカーを合わせます。シャツもあまり明るすぎない色にすることによって、個性を出しつつ派手になりすぎないコーディネートが完成します。
ブラックレザースニーカーは、白のソールが際立つデザインであればなおよし。スニーカーの光沢と相まって、足元の爽やかさが強調され、さまざまな季節で運用できるスタイルになります。
スーツに合うスニーカーのおすすめブランド
それでは最後に、スーツに合うスニーカーのおすすめブランドを解説していきます。
new balance
まず最初に紹介するのはニューバランス。アメリカのマサチューセッツ州ボストン市に本社を置くスポーツシューズメーカーです。1906年にウィリアム・J・ライリーによって設立され、当初は矯正靴の製造を行っていました。
ニューバランスは、ここで紹介するなかではカジュアル寄りのシューズブランドです。側面に「N」というロゴが施された特徴的なデザインで、誰もがひと目見れば「ニューバランスだ」と分かるほど有名になっていますね。
例えば「NEW BALANCE M996GY」は、軽量と衝撃吸収に優れており、シリーズの人気を不動なものにした傑作モデルです。バンプが多少長めなので、スーツスタイルとも無理なくマッチします。
Onitsuka Tiger
Onitsuka Tigerは、現在のアシックスが社名・商標を変更する以前のブランドです。現在も一般向けシューズのブランドとして製造販売されており、海外(特にヨーロッパ、アメリカおよびタイなどのアジア諸国)でも人気の高いブランドです。
Onitsuka Tigerの魅力は、個性的なデザインで周囲の一歩先を行くコーディネートが可能なことや、クラシックな高級感を演出できることです。特に「Onitsuka Tiger LAWNSHIP」は、フラットなアウトソールを使用したモデルで、ビジネスシーンに合う仕上がりが特徴です。
また、「Onitsuka Tiger LAWNSHIP」は、ブラックのほかに、ホワイトとシルバーの2カラーが展開されています。もちろんビジネスだけではなく、普段使いにも最適なモデルであり、長距離出張やちょっとしたお出かけにも使用できます。
VALUNI
VALUNIはポルトガルのシューズブランドであり、最近ではABAHOUSEやnano univnrseなどのブランドが別注コラボを発表しています。洗練されたデザインが特徴で、コーディネートを選ばない自由度が魅力的です。
例えばVALUNIのレザーローカットスニーカーは、ボディーもソールもすべてブラックで統一されたシンプルなデザイン。上質なレザーが使用されており、ちょっとした光沢が大人っぽさを際立たせます。持っておいて損はない一足です。
同じレザーローカットスニーカーでも、白いソールがアクセントになっているモデルもあります。カジュアルスタイルにはもちろん、スーツスタイルにも無理なく合わせられる「ベーシックでクラシックな雰囲気」が魅力です。
GERMAN TRAINER
GERMAN TRAINERはドイツのシューズ。もともと1970年代から1994年にかけて、ドイツ軍がトレーニング用に開発した軍用スニーカーでした。リバイバルブームで注目され、ビンテージライクなデザインが人気です。
当時「ミルスペック」というドイツ軍の規格が定められており、GERMAN TRAINERのシューズはそれらをすべてクリアしています。非常に高い機能性を備えており、足にフィットする形やクッション性の高いソールなど、シンプルで飽きのこない履き心地が特徴。
カラーはブラックとホワイトの2種類ですが、よく知られているのはホワイト。洗練されたデザインながら、派手になりすぎないカラーバランスが絶妙です。マルタンマルジェラやディオールが認めたハイセンスなデザインを、ぜひスーツスタイルに採り入れてみてはいかがでしょうか。
BUTTERO
デザイナーのマウロ・サーニが、1964年に自分の名を冠したブランドをスタート。1974年にはブランド名を「BUTTERO」に変更しました。特に乗馬ブーツやトラディショナルブーツなどが有名で、トスカーナを代表するブーツブランドとして知られています。
BUTTEROはとにかくレザーにこだわることで知られています。特殊なナチュラルタンニングレザーを使用。履いていくうちに色合いに深みが出るため、経年変化を楽しめるのが魅力です。
ビジネスシューズもいくつか販売されています。「B6802 QUEIDEA」は、牛革が使われた高級感のあるデザインで、さまざまなスタイルに合わせることができます。
ECCO
北欧のデンマーク発祥のシューズブランドであり、レザー製品のブランドでもあります。自社生産のプレミアムレザーを用いたスニーカーは、毎日の通勤をより快適にサポートしてくれます。デザインと機能性を見事に両立した人気ブランドです。
「ECCO VITRUS III TIE」は、クラシックなレースアップシューズです。フルグレインレザーとプレミアムカウクラストを掛け合わせ、手作りで仕上げたアッパーは芸術品そのもの。光沢と深みが高級感を演出しています。
またデザイン性だけでなく、ECCO独自の製法により、長時間歩いても疲れにくい機能性も魅力的なポイントです。
TOD'S
TOD'Sはイタリアの高級ファッションブランドです。靴だけでなくバッグやウェアなど幅広い商品を展開しています。ビジネスシューズにおいても知名度が高く、ドライビングシューズは特に有名です。
「ゴンミーニ スエード ドライビングシューズ」は、TOD'Sの長年のシグネチャーとして親しまれています。ハンドステッチ、ホットスタンプモノグラム、ハイグリップ仕様のぺプルドラバーソールなど細部にこだわりが見えます。
そして、スニーカーにおいては定評のある素材使いや革新性、スマートなシェイプとアイコニックなディテールが特徴の上質なラインナップで、スーツスタイルにも無理なく馴染みます。
BOTTEGA VENETA
BOTTEGA VENETAは、イタリアを代表する高級ブランドです。1966年に創業され、職人技を生かしたレザーグッズを世に送り出し、世界中で親しまれるラグジュアリーブランドとして知られています。
スリップオンタイプのシューズである「レースアップ プラット」は、ブランドのアイコンである「伸縮性のあるイントレチャート」が施されています。一見カジュアルに見えるデザインですが、洗練されたビジネススタイルを演出してくれます。
ラバーアウトソールや、ライニングのないデザインが注目されがちですが、その軽量性も特筆すべきポイント。ビジネスパーソンの足元をしっかりと支え、軽やかな歩行をサポートしてくれます。
JIMMY CHOO
JIMMY CHOOは、イギリスで生まれたラグジュアリーブランドです。靴を中心に展開しており、個性的かつ優雅なデザインと、確かな機能性を両立しています。
スニーカーも多数展開されており、真っ白なものから独特なデザインのものまで多彩にラインナップ。「CASH」はローカットスニーカーで、履き心地にこだわって仕上げられています。
「HAWAII/M」は、白で統一されたスニーカー。ホワイトのカーフレザーを使用しており、さまざまなシーンで履くことができます。ホワイトで統一されていることもあり、ディテールは控えめ。ヒールにはJIMMY CHOOのエンボスロゴがあしらわれています。
GIUSEPPE ZANOTTI
GIUSEPPE ZANOTTIはイタリアのラグジュアリーシューズブランドです。1994年、ジュゼッペ・ザノッティが自らの名を冠したブランドを創業。ローカットスニーカーからハイカットスニーカーまで幅広く展開しています。
「Blabber」は、ブラックのレザーを使用したローカットスニーカー。ホワイトのラバーソールはイタリア製で、「Blabber」のロゴが入っているのが特徴です。
ラバーソールが少し厚めなので、若干カジュアル寄りのシューズになりますが、ビジネススーツと合わせても問題なくマッチします。「シンプルなデザインながら高級感あふれるスニーカーを履きたい」という人におすすめです。
まとめ
ここまでビジネススーツに合うスニーカーの条件や、おすすめのブランドについて見ていきました。
コーディネートのコツは簡単で、「スーツとの調和を考える」ことです。そのためにはよりシンプルなデザインが求められますし、カラフルではなくベーシックなカラーが好相性。
さまざまななブランドが個性豊かなアイテムをラインアップしているため、好みに合わせてスーツとスニーカーのコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょう。