カジュアルウェア
ファッショントレンドスナップ115
ルイ・ヴィトンがコレクションで
大プッシュしているベレー帽を日常使いするコツ
2021.08.20
ルイ・ヴィトンの2022年の春夏のコレクションの内容がすでに発表されていますが、そのルックには、モード系以外の人でも採り入れられるトレンドが秘められています。
そのなかで、個人的に注目したのが帽子。「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」の2022SSパリコレのルックを改めて見てみると、ユニークな帽子が目立っていたのですが、そのなかでこれはと見入ったのがベレー帽。
基本的なデザインはベーシックなのですが、それにスイスやギリシャ、フィンランドの国旗のようなワッペンがつく、デザイナーの「Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)」ならではの遊び心が満載のもので、ランウェイでも何度も登場する気合の入れよう。帽子好きの私としては、ベレー帽の世界的なブームが来る!と確信しました。
とはいえ、ベレー帽はモデルなら似合うだろうけど、日本人に似合うの?という疑問をお持ちの方は多いはず。そこで今回は、日本人にも似合う(似合うはず……)ベレー帽について解説しようと思います。
今回のジェントルマンは、クロース&クロージングのオーナーの瀬古洋平さん。見てのとおりベレー帽を何の違和感なくコーディネート。
個人的な見解ですが、ベレー帽は帽子のなかで最も日本人に似合いやすいのではないかと思います。最初はかなり照れがあると思いますが、何度かトライするうちに「これはいけるかも!?」と自信が湧いてくるはず。まずは、知り合い(家族含む)に出会わないような、お出掛け時にトライするのがおすすめです。
「このベレー帽は、夏にも無理なく使えるように編み込みが工夫されていています。空気がほどよく通るので、この時期にかぶっていてもストレスはほとんどありません。ニットなので形を簡単に変えることができるのもポイントです。初めてトライする人は、自分に似合うかぶり方や形をいろいろ試してみてください」と瀬古さんからベレー帽の攻略法をアドバイスいただきました。
全身で見るとこんな感じです。ベレー帽が黒なので、髪の毛のような感じですんなりまとまっていますね。ここでベレー帽の色を、靴の色と合わせようとしてブラウンにしたり、トレンドのミリタリー系のグリーンなどにすると、帽子が目立ってしまうのでお気をつけください。
最後に帽子のマナーに関するウンチクを。ツバのある帽子(ベースボールキャップやパナマハット)は一般的にはレストランやリビングなどでは取るのが礼儀と昔は言われていました。19世紀のイギリスでは、外出中にあいさつするときは帽子を取ってあいさつするのがマナーだったそうです。
最近は、その辺を厳密にとらえる必要はありませんが、やはり食事のときにパナマハットをかぶったままは違和感を覚える人が多いはず。ベレー帽は、よほど格式の高いレストランでない限り取らなくても大丈夫な感じがします。
ちなみに漫画家の手塚治虫さんのベレー帽姿は有名ですが、彼はどんなVIPに会うときもベレー帽を取らなかったとか。スタイルのある人とは、彼のような人のことを言うのではないでしょうか。
Photograph & Text:Yoichi Onishi