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カッタウェイシャツがビジネスシーンに向かないと言われる理由。
着こなし次第でオン・オフ使えるって本当?
2023.01.30(最終更新:2024.11.06)
「カッタウェイカラー」というワードをご存じでしょうか。いわゆる「襟」の形のひとつであり、カッタウェイカラーを使用したシャツを「カッタウェイシャツ」と呼びます。この記事では、カッタウェイ(ホリゾンタルカラー)の概要や着こなしについて解説します。
カッタウェイシャツとは?
カッタウェイシャツとは、襟が大きく180度以上開いているシャツを指します。シャツの襟は、大まかに分けて、レギュラー、セミワイド、ワイドの順で開き角度が大きくなっています。カッタウェイシャツは、ワイドよりも開きの角度が大きく、上向いているものを指します。
襟が大きく開いているため、ビジネスシーンにはあまり向いていないと言われることもあります。しかしクールビズのように、シャツ1枚やノーネクタイで過ごせるような環境においては、カッタウェイシャツが活躍します。
「クールビズにどのような格好をすればいいのかわからない」「通常のシャツを着こなすのに飽きてしまったので、何か別のシャツを着てみたい」というように考えている方は、このカッタウェイシャツを検討してみるといいでしょう。
カッタウェイシャツの優れているところは、剣先が切り上がっているので、首元や首上をすっきり見せられる点です。
また「オン・オフ問わずに着用できる」のもポイントで、クールビズに使うのはもちろん、普段のカジュアルファッションに採り入れることもできます。台襟が上品に立ち上がっているので、「さりげないおしゃれ感」を演出することができます。
そして首元がすっきりしているので、ボタンをひとつ外すだけで、爽やかに見せることができます。夏の場合、ボタンを上まで閉めていると少し暑苦しく見えてしまうため、ボタンを開けて「ほど良いラフさ」を演出するのもいいでしょう。ボタンを開けすぎると「軽い」印象を与えてしまうので注意が必要です。
カッタウェイシャツの選び方。コーディネートのポイント
次に、カッタウェイシャツの選び方や、コーディネートのポイントについて解説していきます。
サイズ感を確認する
カッタウェイシャツに限った話ではありませんが、洋服はサイズ選びが最も重要と言っても過言ではありません。特にカッタウェイシャツはジャストサイズで着用するほうが、細身のシルエットを演出できます。
カッタウェイシャツはシャープな襟の型がいちばんの特徴です。それを生かすためにも自分の体にぴったりと合ったサイズのものを着用するようにしましょう。
シーンに応じて着こなしを考える
ビジネスシーンでカッタウェイシャツを着る場合、主にクールビズでシャツ1枚で着用するというのが基本になります。レギュラーカラーやボタンダウンよりも若々しい印象を与えることができます。
ビジネスシーンでの注意点は、「あまり華美な色を選ばない」ということ。ホワイトやグレーなどのベーシックな色がおすすめです。
カジュアルシーンにおいては、ビジネスシーンよりもスタイルの幅が広がります。第一ボタンを外し「襟のアーチを強調する」のもいいでしょう。首まわりがすっきり見え、コーディネート全体が軽やかな印象にまとまります。
ネクタイと合わせるときは結び方を選ぶ
カッタウェイシャツの襟は180度以上開いているのが特徴ですが、これは通常の襟に比べて「ネクタイを結んだときのノット(結び目)が目立ちやすくなる」ということです。
カッタウェイシャツとネクタイを合わせるときは、ウィンザーノットやセミウィンザーノットで結び目を大きくするとバランスよく納まります。
クールビズでの着こなし
カッタウェイシャツの魅力は、クールビズで最大限に発揮されます。ノーネクタイでも存在感があり、シャツ1枚でも清潔感のある印象にまとまります。
鉄板の組み合わせとしては、白シャツにネイビーのパンツ。白シャツは清涼感を演出し、太陽の光も吸収しにくいので、夏の暑さも抑えられるでしょう。
夏は半袖のシャツを着る人も多いですが、長袖の裾をまくるほうが、より紳士的に見せることができます。
フォーマルシーンでの着こなし
普通のワイシャツに比べると、カッタウェイシャツは上品で華やかな印象を与えます。そのため少し改まった格好が求められるフォーマルシーンでも、無理なくなじみます。結婚式の二次会など、セミフォーマルなシーンでも合わせてみてはいかがでしょうか?
セットアップのスーツの下に着用してもいいですし、少しカジュアルっぽくするならば、ジャケパンスタイルもおすすめです。
カッタウェイシャツの人気ブランド
ここまでカッタウェイの基礎知識や、コーディネートのポイントについて確認してきました。最後にカッタウェイの人気ブランドについて見ていきましょう。ポール・スチュアートのような海外ブランドから、麻布テーラーのような国内ブランドまで幅広く紹介します。
Giannetto(ジャンネット)
初めに紹介するのは、1979年創業のサンフォート社がカジュアルラインとして2008年にスタートしたイタリアンブランド、ジャンネットです。高級感あふれる見た目と着心地を両立した、良質なシャツを展開しています。同ブランドのなかでも長年ベストセラーになっているのが「84」というモデル。シンプルな見た目ながら、カッタウェイシャツとして完成されており、ブランドの代表的なシャツとして親しまれています。
BARBA(バルバ)
続いて紹介するのが、1964年にイタリアで設立されたブランド、バルバです。もともとシャツメーカーとしてスタートしたこともあり、シャツのクオリティーは折り紙付き。現在でもイタリアンシャツブランドの定番的存在になっています。バルバのカッタウェイシャツの特徴は、細身のシルエットを表現しつつ、非常に動きやすいデザインになっていることです。ハイクオリティーな生地もポイント。とにかくシャツにこだわりたいという大人におすすめのブランドと言えます。
BAGUTTA(バグッタ)
続いて紹介するのは、1975年に誕生したイタリアのブランド、バグッタです。有名ブランドのOEMを請け負うCIT(Confezioni Italiane Tessili)社のオリジナルブランドとしてスタートし、クラシックでありながらモダンなデザインが特徴。ときには従来のシャツの概念を打ち破るスタイルで私たちに驚きをもたらします。
LUIGI BORRELLI(ルイジ ボレッリ)
続いて紹介するのは、1957年にイタリアのナポリで産声を上げたシャツブランド、ルイジ ボレッリです。先ほど紹介したバルバなどとともに高い評価を受ける、イタリアを代表するシャツブランドのひとつ。その魅力は「最高品質の素材が使われていること」と「ハンドメイドによって最高品質の商品が作られていること」。シンプルな見た目ながら、高級感のある仕上がりが魅力です。
Paul Stuart(ポール・スチュアート)
続いて紹介するのは、1938年にアメリカのマンハッタンで高級紳士服専門店としてスタートしたポール・スチュアートです。現在、アメリカを代表するファッションブランドのひとつであり、世界でも絶大な存在感を発揮しています。カッタウェイシャツとしては、コットンニットサッカーシャツをラインアップ。生地の凸凹感が特徴で、薄めの生地によるソフトな着心地が夏にぴったりです。
Timothy Everest London(ティモシーエベレスト ロンドン)
次に紹介するのは、イギリスのブランド、ティモシーエベレスト ロンドンです。1991年にロンドンで誕生。英国紳士らしさはそのままに、現代的なデザインを採り入れ、英国ビスポーク界に新しい風を吹き込んだブランドとして、本国だけでなく日本でも愛されています。
FAIRFAX(フェアファクス)
続いて紹介するのは、1976年に設立された国内ブランド、フェアファクスです。ネクタイやシャツを中心に販売。メイド・イン・ジャパンにこだわるブランドとして、数々のセレクトショップで取り扱われてきました。カッタウェイシャツは肌触りのよさやシルエットの美しさにもこだわりながら、高いコストパフォーマンスを実現しています。
麻布テーラー
続いては、メルボメンズウェアー株式会社から展開されているブランド、麻布テーラーです。オーダーシャツを注文できるため、自分の体に合った理想的なシャツを手に入れることができます。オーダーの流れとしては、まずフロントスタイル、前立、ボトムデザイン、バックスタイルなどを選択します。好みの襟を選ぶことができるので、カッタウェイを作りたい場合は、「カッタウェイ」「カッタウェイラウンド」を選択するといいでしょう。
カシヤマ ザ・スマートテーラー
次に紹介するのは、カシヤマ ザ・スマートテーラーです。1927年に創業した樫山商店が「オンワードホールディングス」に名前を変更し、その子会社である「オンワードパーソナルスタイル」から展開されているブランドです。カシヤマ ザ・スマートテーラーも、オーダーメイドでシャツを作ることが可能。イージーケアシャツである「ベーシック」は6600円〜、ストレッチ性に優れた「ジャージ」は9900円〜、本格的な「インポート」は1万3200円〜という価格帯で、オーダーから最短1週間で商品が届きます。
鎌倉シャツ
最後に紹介するのは1993年に神奈川県の鎌倉でスタートした、鎌倉シャツです。現在、国内だけでなく世界的な評価も高めており、日本のほかにもニューヨークや上海などでも展開しています。鎌倉シャツの特徴は、企画から生産までをすべて自社で行うことで、圧倒的なコストパフォーマンスを実現しているところ。高いクオリティーを誇りながら、比較的安価で購入することができます。
まとめ
カッタウェイシャツは、襟が大きく開いたシャツを指し、ホリゾンタルシャツと呼ばれることもあります。
シャツ自体(襟自体)に特徴があるので、1枚でも着こなすことが可能。多様化しつつあるビジネススタイルにおいて、特にクールビズにおいて活躍するシャツと言えます。
今回紹介したブランドのなかには、オーダーメイドで注文できるものもあるので、興味がある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。