週末の過ごし方

ピッティで見た、ファッションとサステイナブルのゆくえ。

2022.02.14

「キートン」3代目の双子兄弟が手がけるブランドとスタイリッシュな試み。
ケー・エヌ・ティー KNT

今期ピッティ初出展となったKNTはファミリー3代目のマリアーノとワルター・デ・マティスの双子の兄弟による未来志向のアーバンウエア・ライン。最新モデルをさっそうと着こなす二人にその志を尋ねてみた。「自社繊維工場をミラノ工科大学とのコラボで循環型生産に切り替え、今期コレクションには風力発電用プロペラ廃棄物を加工したパネルをディスプレー。店舗でも使用します」。なるほどブランドイメージにマッチしたハイテクな試みだ。昨年は社員500人全員へ一律2000ユーロの臨時ボーナスを支給したそう。さすがはナポリ企業、ファミリー・サポートは何より大切である。

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子どものころから「パンと布で育った」というワルターとマリアーノ。今期モデルの’90年代風ダブルジャケットは着心地も雰囲気も軽い老舗サルトリアのテーラリングによるデラックス・ストリートだという。
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Kiton New Texturesを意味するKNTは、最新技術による素材と最高の着心地を追求するラボラトリーでもある。今シーズンはソットヴェートロ、ウォータープルーフ・ウールなどのイノベーション生地がお目見え。

大海の一滴となる消費者の行動こそが大切
ポール・アンド・シャークPaul and Shark

今期コレクションのテーマはWear The Ocean。サメを冠したブランドらしく海洋サステイナブルに特化し、5年前から各国の素材メーカーと本格的にリサイクル素材の研究を始め、廃棄プラスチックの再生布Save the Sea、漁網再生ナイロンのECONYL®️、同じく海域廃棄物使用の再生ポリエステルSEAQUAL®など高品質ハイテク素材、オーガニックコットンやエコ・ウールなど天然素材の使用、使用水量80%カットのダイイング導入、廃棄製品の回収やユーズド販売も今年から開始を試みる。いやはやサステイナブルへのあっぱれな挑戦ぶりである。

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創業者のアンドレア・ディーニ氏。「リサイクル素材は十分美しい。そして消費者の心ある選択が大切です。忍耐をもって語り続けることです」
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今シーズンはアーカイブモデルから再生ウール使用のフィシャマンズ・ニット各種、数種の再生素材を組み合わせたアウター・Hybrid Hoodyなどを発表。昨年米国では30%売り上げUP、今年は国内各地に店舗を増やす。

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