週末の過ごし方

ピッティで見た、ファッションとサステイナブルのゆくえ。

2022.02.14

老舗スニーカー・ブランドが模索するSDGs的な在り方
プレミアータPremiata

伝統ある職人技と遊び心が利いたスニーカーでブレイクした「プレミアータ」。先日発表したエコ素材100%の「ジョン・ロウ」でも話題になったが、今回は創業ファミリー5代目のヴィンセント・マッツァによるサステイナブル路線の新アパレル・ラインを発表。「イメージするのは都会戦士。フルタイム対応のジャケットやパーカ、そしてジェンダーレスなデザイン。」クオリティーを極めたマルチ機能搭載、無駄を省いた究極モデルとは、なんだか予測不可能な近未来に向けたサバイバル・ギアか? イタリア製素材、メイド・イン・イタリーを貫く企業姿勢もSDGs的だ。

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デザイナーのヴィンセント・マッツァ。ミラノのマランゴーニ学院で映画と文学を修めた27歳。父・グラッツィアーノと共にシューズ・ラインも担当しプレミアータの将来も担う5代目である。
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ブラック&ホワイトで統一したアウターとリュック。小アイテムながら素材、機能性、ディティールへのこだわりは半端ない。ラグジュアリーアパレル生産に特化したラ・ロッカ社製。

ファッション名門企業のサステイナブルはもはや伝統
ピアツェンツァ1773 Piacenza1773

今コレクションから新デザイナーを迎えリフュレッシュしたピアツェンツァ。その歴史をさかのぼってみれば1773年の創業より世界を旅してイタリアと遠い原料生産国とのパイプを築き、1840年より地元に大公園、鉄道や水力発電所も建設、学校設立などなど地元貢献もレジェンド級であったとは驚きである。近年ではヘリテージ保護財団設立、自社施設のエコ化も徹底し、RWS(レスポンシブル・ウール・スタンダード)GRS(グローバル・リサイクル・スタンダード)などハードルの高いトレーサビリティ証明ももれなく取得し、まさに服飾界のお手本企業である。

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「サステイナブル活動はわれわれのDNAに組み込まれています」とまんざら冗談でもなさそうに語ってくれた14代目のヴィジリィ・ピアツェンツァ。
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老舗ならではの素材力と技がコンテポラリーに溶け込んだ秀逸な2022-23秋冬コレクション。ブースの両壁には、祖先が3世紀にまたがって旅した中東やアジアのアーカイブ写真がコラージュされてミュージアムのよう。

企業姿勢を訪ねる歩く中、ふと立ち寄ったドロミテのブースで「コロナによる行動制限下、さて世界を見回したら地球が大変な状況にあることに大人もようやく気づいた。健全な人間であれば、サルテナブルを志すのは当然の流れでしょう」と語る開発部長の言葉が心にささった。

こんなファッション界の「今」を肌で感じ取れるのも、ピッティというプラットフォームがあるからこそ。かつてここから多くのグランメゾンが巣立ち、またこれからも伝統と革新を凌駕するブランドがたくさん羽ばたいてゆくと願いたい。

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サルトリア系ブランドも健在なり。ラルディーニは優雅な温室ガーデンを舞台に華々しくカムバック。2019年フランスのG7にて締結された「ファッション協定」に早々と加盟しサステイナブル活動もリードするクラシコ会の智将だ。

Photograph:Mitsuya T-Max Sada
Text:Michiko Ohira

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