週末の過ごし方
『令嬢アンナの真実』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #25
2022.05.27
彼女は本当に騙そうとしていたのか?
『ブリジャートン家』などで知られるションダ・ライムズが、ドラマ化したくなるのも無理はない。刑期を終え昨年釈放されたアンナは、程なくインスタグラムへの投稿を再開。バスタブに漬かりながらシャンパンを飲む姿を投稿し、波紋を呼んだ。アンナは今でも人を騙したとは思っていない。単なる根っからのソシオパスなのか? 彼女に漂うミステリアスな魅力に、皮肉にも大衆は心を惹かれてしまうのだ。
ドラマの影響もあり、現在アンナのインスタグラムへのフォロワー数は100万人を超えている。HBO(米国の衛生、およびケーブルテレビ放送局)は、被害に遭った女性側の視点を中心としたドラマを現在製作中。配信元はまだ決まっていないが、アンナの出所後の姿を追ったドキュメンタリー製作の契約も既に結んでいる。しばらくアンナ・デルヴェイブームは続きそうだ……。
ロシアで生まれ、ドイツで育ったアンナには、独特のなまりがあった。それはドイツ出身だと思わせるための意図的なものであるという。そのなまりを見事に再現し演じたのは、『オザークへようこそ』で2年連続でエミー賞助演女優賞を受賞したジュリア・ガーナー。彼女はアンナを演じるため、実際にアンナに会いに行き、役作りに生かしたと話している。
『令嬢アンナの真実』はリミテッドシリーズで全9話、Netflixにて配信中。ションダ・ライムズの新作というだけでも十分話題性があるのに加え、嘘をついてニューヨークの社交界を手玉に取った“ソーホーの詐欺師”をドラマ化した作品。これを見逃すわけにはいかない! アンナは果たして本当に騙していたのか? それとも周りが勝手に騙されていたのか? その判断は視聴者に委ねられる……!?
Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo