接待と手土産

アットホームな定食屋さん
[部長の名店。ひとり気ままにノスタルジックランチ]
いわさき

2022.06.10

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甘辛の味付けでごはんが進む「豚生姜焼き定食」(900円)。たっぷり盛られた小鉢からも愛があふれる。

風の吹くまま、気の向くまま。気負わず、自由な時間を満喫できるのが、ひとりランチのいいところ。せっかくならば、古き良き時代の薫りがスパイスのランチでタイムトリップを楽しむのも一興。

店先の食品サンプルディスプレーに心躍らせた子ども時代を思い出したり、時代の空気を吸い込んだ空間に居心地の良さを感じたり。昭和から令和まで50年以上(最も歴史ある店では100年以上)、変わらぬ味とたたずまいで愛されるノスタルジックな名店を紹介します。

「ただいま」と暖簾(のれん)をくぐりたい。まるで実家のような心地良さ

写真・図版
カウンター上には木製のメニュー札。壁には女将さんお手製の千代紙がきちょうめ んに貼られている。

暖簾のかかった引き戸をガラガラと開けると「いらっしゃい、お好きなとこにどうぞ〜」と、優しい笑顔で女将(おかみ)さんが迎えてくれる「いわさき」。1920(大正9)年に3代目店主・岩崎博茂さんの祖父・岩崎善衛門さんが日本初の24時間営業のガード下飲食店として創業し、現在の場所に移転したのは終戦後。子どもの頃にはまだこのあたりで進駐軍の姿を見かけたという博茂さんが、3代目を継いだのは17歳のとき。時代と共に街の風景は様変わりしたが「おなかいっぱい食べたいって言う人の姿は、変わらないね」と笑う。

厨房では、博茂さんと2人の娘さんが腕を振るう。時折厨房から聞こえてくる家族のやりとりに、「豚生姜焼き」「とんかつ」などの定食から「目玉焼き」まで親しみのあるメニュー、そして店内の雰囲気も相まって、どことなく漂う実家のようなほっこり感。その居心地の良さは、「お客さんのことは息子だと思ってるの。やっぱり愛って大事よ」とほほ笑む女将さんの言葉に表れていた。

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※価格はすべて税込み価格です。

「アエラスタイルマガジンVOL.52 SPRING / SUMMER 2022」より転載

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Photograph: Eri Kawamura
Illustration: Akira Sorimachi
Text: Nanae Konishi

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