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『クイーンズ・ギャンビット』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #26

2022.07.07

『クイーンズ・ギャンビット』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #26

自身を犠牲に戦うベスが手に入れたものとは?

そう、これはチェスで世界を駆け巡る天才少女が、薬物・アルコール依存症である自分自身と戦い、チェスを通して家族や友人に支えられていたことに気づき、成長してゆく物語である。

「女がチェスを?」とあざ笑う男性プレーヤーを横目に、着々と世界の頂点に近づいていくさまは華々しく、いつしかベス自身の暗い問題を視聴者が忘れてしまうほど、テンポよく爽快に昇り詰めてゆく。

ベスの心境を反映しているかのように、変化していくファッションも見どころのひとつ。真意は定かではないが、物語に大きく関わっていることは確かで、最終回の衣装はとても重要なものになる。

タイトルになっているクイーンズ・ギャンビットとは、ポーン(将棋で言うところの「歩」)を犠牲にしてクイーンのいる中央を有利にするチェスのオープニングのひとつ。これは、なにかを犠牲にして戦っていくベスの様子を示唆しているのではないだろうか? 最強の駒と言われるクイーンはまさに、男性ばかりのチェス界のなかで勝ち進んでゆくベスを象徴しているかのよう。そしてポーンは、相手陣のもっとも一番奥側のマスに到達すると、プロモーション(昇格)してクイーンになる。

『クイーンズ・ギャンビット』は全7話で構成されていることを考えると、やはりこれも意図的なのではないか?と思えてしまう。もちろん本作はチェスのルールを知らなくても存分に楽しめるが、知っているといっそう楽しめることだろう。

Netflixにて全7話を独占配信中。果たして、自身を犠牲にしてまでも勝ち進んでいったベスが、手に入れたものとはなんだったのか……? ぜひ、見届けていただきたい。

<<過去の「いま観るべき、おしゃれな海外ドラマ」はこちら

Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo

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