接待と手土産

「笹一」の蒸し鮨
自慢の手土産 #94

2022.08.02

写真・図版

小さな椀の中で丁寧に仕上げられたつややかな具材が共演

アイスクリームは棚に上げておくとして、ギフトを贈るときは、よほど特別なものでない限り、冷凍物は選ばないことにしている。それは相手の冷蔵庫事情がわからないからだ。ただ、最近の冷凍技術の発達はあまりにも目覚ましく、作りたてと同じ味が楽しめるものが続出し、その信念は揺らぎつつある。今回紹介する「笹一」も、冷凍技術を駆使しておいしい鮨を和歌山から全国に届けている。

数あるラインアップのなかで一押しは「蒸し鮨」だ。茶碗一杯ほどの大きさの器に、下に酢飯、その上にエビやイカ、ホタテ、銀杏、枝豆、栗、一枚ずつ焼き上げた自慢の錦糸卵や煮含めたシイタケなどが色鮮やかに並んでいる。蒸し鮨は、関東のちらし寿司のイメージに近いが、ぬくずしとも言われるように温かいのが特徴だ。

漆器をイメージした椀に入って届けられ、冷凍のまま電子レンジか蒸し器で温めるだけで簡単に食べられる。もとは懐石料理の締めとして出されていたというだけあって、日本料理らしい品格と華やかさを併せ持つ。具材に合わせた調理法でひとつひとつ丁寧に仕上げてあり、ホタテはねっとりとして生に近い食感で、エビもふっくらして甘い。

ただ、代表の堀口 徹さんは、食べるときに一番おいしい状態にするためには、華やかな具材より、むしろ酢飯に苦労したと話す。温めることで酢の酸味が飛んでしまっては、鮨本来の良さが味わえないし、また強すぎるとつんとする刺激が鼻を刺す。試行錯誤を繰り返し、構想から10年以上の年月をかけて商品化に成功したそうだ。

次ページ職人の技とこだわりが詰まった妥協のないおいしさ

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