週末の過ごし方
『MANIFEST/マニフェスト』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #28
2022.08.04
海外ドラマの世界では、視聴率の低下、出演者・制作会社のトラブルなどにより作品が打ち切られるなんて話を耳にすることがたまにある。『マニフェスト』もそのひとつだった。
2021年6月、シーズン3の最終話で打ち切ることを米NBCが突如発表。何も解明されていない状態での打ち切りに、ファンは嘆き悲しみ、すぐさま#savemanifestをSNSにて拡散。そのかいあってか、『マニフェスト』の最終シーズン4がNetflixにて制作されることが決定! 日本のNetflixでも、7月から本作の配信がスタート。連日トップ10入りを果たし、「観るのをやめられない……」と話題騒然だ。
それもそのはず、『X‐ファイル』や『LOST』を想起させるようなSFとヒューマンドラマの見事な融合。絶対にあの“現象”の正体を知るまでは、ファンは納得しないだろう。
2013年4月7日、ミカエラは兄夫婦とその子どもたち、両親と共にジャマイカからニューヨークに帰ろうとしていた。搭乗予定だった便がオーバーブッキングのため、400ドルと引き換えに次の便に変更してほしいという航空会社からの提案を受け、ミカエラと兄のベン、その息子のカルは次の便で帰ることにしたのだ。それが運命の分かれ道だったとは知らずに……。
ミカエラらはモンテゴ航空828便に乗り、途中乱気流に驚かされながらもなんとかニューヨークに着陸。しかし着陸するや否やパトカーが数台待ち構えており、乗客191人は騒然。数時間のフライトだと思って降りた地では、およそ5年半もの時が経過していたのだった。
5年半ものあいだ、飛行機はどこかに墜落し、乗客らは死亡したと誰もが思っていた。そう思うのも無理はない。前に進むためには、そうするしかなかった人が大半だろう。かつて恋人だった人は違う道を選んでいたり、幼かった双子の姉は多感なティーンエイジャーになっていたり、同僚が出世していたり、大切な人が亡くなっていたり……。乗客たちは自分たちだけが時間が止まってしまい、世界から取り残されたような疎外感に襲われるのだった。
それに加え、828便の乗客たちには共通して、ある不思議な現象が起こるようになっていた。それは“声”であったり、“音”であったり、何かが脳内で再生されるという現象だ。しかもそれは自分自身だけであったり、ほかの者も共通に体感したり、さまざまだ。その現象の正体を知るために、刑事でもあるミカエラと兄ベンは動きだす。