週末の過ごし方
挿絵から映画、ファッションまで!
『不思議の国のアリス』の、160年にわたる
文化現象をたどる初の大規模展が開催中。
2022.08.12

© Victoria and Albert Museum, London
「特別展アリス ─へんてこりん、へんてこりんな世界─」が、東京の六本木にある森アーツセンターギャラリーにて、2022年10月10日(月・祝)まで開催中。その後、2022年12月10日(土)から2023年3月5日(日)まで、大阪にあるあべのハルカス美術館に巡回する。
イギリスの博識家で数学者であるチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、ルイス・キャロルのペンネームで1865年に発表した『不思議の国のアリス』と、続編として1871年に刊行された『鏡の国のアリス』は、19世紀から現代にかけて、アート、映画、音楽、ファッション、演劇、写真など、さまざまなジャンルで表現されてきた。
世界巡回中の本展では、「アリス」2作品のなかのジョン・テニエルによる挿絵から、ディズニー映画のアニメーションセル、ティム・バートン監督による映画『アリス・イン・ワンダーランド』、アリスに影響を受けたサルバドール・ダリや草間彌生らの作品、バレエなどでの舞台衣装、ヴィヴィアン・ウエストウッドらによるファッションなど、160年にわたり各分野に及ぼした影響と魅力を網羅したアリスにまつわる作品や資料約300点を一堂に紹介する、これまでにない大規模な展覧会になっている。

© Victoria and Albert Museum, London
ジョン・テニエルの挿絵(原画)のほか、日本人アーティストの金子國義や酒井駒子らによって描かれた『不思議の国のアリス』の原画も展示。
アリスの証言、金子國義、1999年、個人蔵 Alice、酒井駒子、2013年、個人蔵
舞台化されたアリスの世界にも注目。2011年に初演されたロンドンのロイヤル・バレエ団の『不思議の国アリス』では、原作をもとにオリジナルの物語を展開。会場では、ハートの形を強調したハートのクイーンの衣装などを展示している。

ファッションでは、ヴィヴィアン・ウエストウッドのアンサンブルや、ヴィクター&ロルフがデザインしたマッド・ハッター(狂った帽子屋)の衣装、日本の「パンク・ロリータ」衣装なども紹介。
ヴィヴィアン・ウエストウッド ゴールド・レーベルのアンサンブル、2015年春夏コレクションで発表 © UGO Camera アリス、『不思議の国のアリス』をテーマにした2018年のカレンダー、ティム・ウォーカー撮影、ピレリ社制作 © Tim Walker Studio Courtesy of Pirelli&C.S.p
日本展の元となる、舞台デザイナーのトム・パイパーが手がけたロンドン展の展示演出も見どころ。原作の世界観に没入できる遊び心あふれる展示で、子どもから大人まで、アリスの世界を楽しむことができる。
英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)での展示の様子。
Alice Curiouser and Curiouser, May 2021, Victoria and Albert Museum Installation Image, Cheshire Cat created by Victoria and Albert Museum, Alan Farlie, Tom Piper, Luke Halls Studio ©Victoria and Albert Museum, LondonV&Aの展示空間に登場した、「狂ったお茶会」のインスタレーション。
Alice Curiouser and Curiouser, May 2021, Victoria and Albert Museum Installation Image, Tea Party created by Victoria and Albert Museum, Alan Farlie, Tom Piper, Luke Halls Studio ©Victoria and Albert Museum, London

特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―
東京会場
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52階
会期:開催中~2022年10月10日(月・祝)
開館時間:10:00~20:00(月・火・水曜日は18:00まで)
※事前予約制
※9/19(月・祝)、10/10(月・祝)は20:00まで
※最終入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:会期中無休
大阪会場
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス 16階
会期:2022年12月10日(土)~2023年3月5日(日)
チケット料金や購入方法などは、展覧会公式サイトへ。
Text:AERA STYLE MAGAZINE