週末の過ごし方

岩井千怜、川崎春花、尾関彩美悠 新ヒロイン続々誕生の一方で、
ベテランが抱く思い「あと何回ゴルフが……」。

2022.09.26

写真・図版
30代以上の女子プロによる大会発起人の有村智恵(前列右から3人目)、原 江里菜(同4人目)ら出場18選手。(写真:日刊スポーツ/アフロ)

国内女子ゴルフツアーでルーキー選手が勢いづいている。8月に20歳の岩井千怜が初優勝から2連勝、川崎春花は9月のメジャー大会・日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯で初V。翌週の住友生命Vitalityレディス東海クラシックでは、同じ19歳の尾関彩美悠が初優勝を決めた。NEC軽井沢72ゴルフトーナメントから7試合中4試合でルーキーV。ほかにも上位に入る選手が多数で、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン終了時で10人がメルセデス・ランキング(MR)50位以内に入っており、来季シード権獲得の可能性を広げている。そして、30代、40代の選手たちも、「生き残り」を懸けて奮起。同じくMR50位以内に11人が名を連ねている。下記の選手たちだ。

12位:藤田さいき、13位:上田桃子、15位:菊地絵理香、18位:黄 アルム、20位:イ・ミニョン、24位:申 ジエ、27位全 美貞、32位:福田真未、45位:笠 りつ子、46位:有村智恵、48位:穴井 詩。

小祝さくら、勝 みなみ、原 英莉花らの「黄金世代」、西村優菜、吉田優利らの「プラチナ世代」、西郷真央、山下美夢有らの「新世紀世代」。そして、昨季賞金女王の稲見萌寧と同じ世代には、今季好調の菅沼菜々もいる。文字どおり、群雄割拠の状況で、30代以上の選手がシード権を守ることは年々難しくなっている。第一の理由は体力の衰えだ。ある選手をサポートする男性トレーナーが言った。

「女子ゴルファーは、25歳ごろから体の変化を感じる選手は多いです。10代、20代と比べて、明らかに疲れが取れにくくなります。30代になれば、いろんな痛みも出てきます。日々のマッサージ、ストレッチは欠かせませんし、治療も必要です。そのうえ、ツアーのレベルがどんどん上がっていますから」

 宮里 藍と同じ東北高等学校出身で2学年下の有村は昨季、ギリギリの賞金ランク50位でシード権を確保した。一方で、自身のシーズンを終えた昨年11月25日、ツイッターでこうつぶやいている。

「自分の中の手応えはあったものの、結果が出ない。 女子ゴルフ界のレベルがどんどん上がっている事を目の当たりにしたシーズンでした。 ちょっと心折れそうでした… いや何回か折れました。、笑笑」

 同じ思いを抱える選手は多く、笠は3月の明治安田生命レディス初日を2位で終えた後、胸の内を明かした。

「やっぱり、強い子たちがたくさんいるので刺激をもらっています。私はもう34 歳になりました。20 代のときには34 歳でこの場でプレーしていることを考えていなかったので、一日一日を一生懸命にやっていこうという思いは強くあります。毎回、会場に足を運んだときに、『あと何回ゴルフができるんだろう』とも思います」

 シード落ちになっても、55位以内なら来季シーズ前半の出場権を得られる。しかし、56位以下はツアー最終予選会(QT)に回ることになる。その場には、最終プロテストに合格したばかりの選手、出場権を欲して燃える20代選手も多くいる。一発勝負の4日間は試合以上にシビアな戦いで、ポイントは40位以内に入ること。そうすればシーズン前半戦に出場権は得られるが、7月には成績順でリランキングが実施されるため、中盤戦、終盤戦の出場は保障されていない。また、30代でのシード権喪失はモチベーション低下にもつながり、QTに出場せず、ツアーを徐々に離れていく選手も少なからずいる。

 だからこそ、30代以上の選手は「少しでも長く」の思いで、シード権確保を目指している。これからの終盤戦はその争いも注目されるが、住友生命Vitalityレディス東海クラシックでは、そんなベテランたちを喜ばせる賞が設定された。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)入会10年以上の最上位選手に与えられる賞金50万円の特別賞「Vitalityスイート10賞」だ。対象者は出場108人中29人。そして、最終日を11位で出た34歳の有村が68をマークして、通算9アンダーの4位で受賞となった。

 有村はラウンド後、「めちゃくちゃうれしいです。本当に狙っていたので、それをしっかり獲れて良かったです」と歓喜。ルーキーを対象にした賞は数多いが、ベテランを対象にした賞は珍しく、「私たちのなかでもビッグニュースで、今週、選手のなかではこの賞の話題で持ち切りでした」などと話した。

 ベテランたちを元気にした賞の設定。特別協賛の住友生命保険相互会社ならではのアイデアに思われるが、体に鞭を打ち、神経をすり減らしながら戦っているベテラン選手たちについては、「もっとリスペクトされるべき」との声は多い。これを機に、ほかの大会でもベテラン賞が設定され、ルーキーたちとともに評価されることを期待する。

※昨季までは賞金ランキング50位以内、MR50位以内に入った選手に翌年のシード権が与えられたが、JLPGAの規定変更で今季からMR50以内の選手のみが、来季のシード権を得られる。

>>20歳岩井千怜、17歳馬場咲希が快挙達成で、女王の23歳稲見萌寧も危機感。「若手がレベルを上げている」

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