カジュアルウェア
バブアーの不滅の人気モデルをご存じですか?
まだ知らない人も知っている人もうなずける魅力をレクチャー。
ファッショントレンドスナップ162
2022.11.02
SNSの普及により、有名ブランドの最旬トレンド情報は時差なく手に入るようになり、各都市のファッションの特徴も浮き彫りになってきました。そんな状況のなか、海外からは日本のファッションはどのように見られているのでしょうか?
個人的な見解ですが、他の国にはあまり見られないオリジナル性で言えば、「オタク」「コスプレ」「アニメ」というキーワードが付く分野のファッションは日本が抜きん出ているような気がします。
今回はこのなかの「オタク」的な発想から生まれた、日本独自のファッションの楽しみ方、深掘りスタイルの一例を取り上げてみたいと思います。
今回は、日本人ならではの深掘り文化、世界的には類を見ない鑑識眼(オタク目線)が起爆剤になり、10年以上ブレイクしつづけているアウターを着たジェントルマンのご登場。
「今日は、バブアーの定番と言われているビューフォートを着ています。創業当初からあるように思っている方もいらっしゃいますが、実は1980年代に狩猟用に開発されたものです。実用性を重視した無骨で機能的なデザインにイギリス的な品格を併せ持ったこのモデルは、アウトドアからビジネスまで使える名品。最近は女性にも人気が出ていて、バブアーの日本の公式インスタグラムでは女性比率が年々高くなっています」と解説していただいたのは、伊勢丹新宿店のメンズ館内にあるバブアーで店長をなさっている竹居 初さん。
ここまで聞いて実際日本のオフィシャルのインスタグラムの@barbourjapanを見ると、本国のモデルカットに交じり日本人の20〜40歳代のおしゃれな人たちや、愛犬のスナップなどが掲載されていました。個人的には、「日本のバブアーのファンの人たちは、自由でオリジナリティーあるバブアーの着こなしを楽しんでいるな……」と感心するばかり。
実はここがポイントで、トレンドのファッションとしてバブアーを着たり、購入したジャケットのメンテナンス(古くなったジャケットにワックスをかけ直すリプルーフなど)のイベントに若い男女が集まって、愛用品をメンテナンスするという光景は、本場ロンドンでもおなじみの光景ですが、日本人の物を長く大切にする気質にも、マッチしているのではないでしょうか。
そう、この盛り上がり方やスタイルこそが日本独特で、本国ではライフスタイルブランドというスタイルに重心を置いた立ち位置で展開されています。その辺は、本国のオフィシャルのインスタグラムを見ると、日本とは雰囲気が少し違うことが感じ取れるはずです。
バブアーが日本に入ってきて、このような独自の進化を遂げた要因には、メンズファッション誌が絶対名品とかマスターピースといった特集のなかで、歴史やマニアックなウンチクを書きファンが急増したことと、セレクトショップなどのスタッフの方々が、こぞっておしゃれなスナップをSNSにアップしたのが影響しているのではないかと解釈していますが、どうでしょうか?
※日本での流行の要因はさまざまあります。あくまで個人的な感想ですので、あしからずご了承ください
こうした現象は、ビンテージジーンズと似ていて、日本人ならではの美意識と服の楽しみ方は独特で、世界的に理解されるのには時間が必要です。