特別インタビュー

伊勢丹新宿店メンズ館7階 メンズオーセンティック
マッキントッシュ フィロソフィー担当 石津大稀さん
この人から買いたい、この一品

2022.11.11

伊勢丹新宿店メンズ館7階 メンズオーセンティック<br>マッキントッシュ フィロソフィー担当 石津大稀さん<br>この人から買いたい、この一品

油絵も飲食もファッションも、私のなかでは延長線上にあるものです

高校は造形美術コースだったので、3年間油絵を描いていました。美術科って、服とかもちょっと奇抜な人がいそうなイメージかもしれませんが、私の周りにはシンプルなスタイルの友人が多く、自分もベーシック&シンプル系のスタイルが好みだったので、モノトーン系のスタイルが多かったように思います。卒業後は、アートでもファッションでもなく、役者の道へ進もうと思い、芸能事務所の養成所に通いながら俳優やモデルの仕事をしつつ、代々木にあった飲食店でバイトしていました。結局、養成所は1年ほどで退所してしまい、飲食店には4年ほどいました。

バイト先が東京五輪の関係で店を閉じることが決まり、どうしようかと考えていた頃、友人に誘われ三陽商会へ転職しました。どのブランドにするか考えたとき、マッキントッシュ フィロソフィーが、自分にいちばん合っているなと感じて決めました。ビジカジのイメージのあるマッキントッシュ フィロソフィーですが、シンプルで上品なスタイルが自分好みでしたので、ベーシックカラーのスーツやジャケット、シャツやニットといったコレクションは自分のワードローブに近いものがあったんです。

いまも休みの日に絵を描くことがあります。静物を模写するときなど、構図を考えたり、陰影のコントラストを計算したり、自然とバランスをとることを考えているんです。それが今の仕事に役立っているのかもしれません。今日みたいにグレースーツにグリーン系のネクタイを差す着方を考えるのって、自分では「絵を描くこと」に通じるように思うのです。静物の配置を考え、テクスチャーと陰影をトーンのグラデーションで描き込んでいくのは、アイテムを組み合わせてスタイルをコーディネートするのに似ています。ときにお客さまが、どういうイメージでスタイリングしたいのか、好きな色やアイテムを伺って組み合わせていく作業は、白いキャンバスに絵を描いていく過程と似ているようにも思うのです。

飲食とアパレルも商品は違うけれど、接客という点では同じです。お客さまがメニューから料理をイメージできるようにお手伝いするように、服を見てスタイルをイメージできるように接客しますし、お客さまが「食べたい料理」をお出しするのと、「着たい服」を提供できるようにすることは、私にとっては延長線上です。自分の強みでもある構成力と色彩感覚を駆使して、これからも誰かを満足させる仕事を続けていきたいと思っています。

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