特別インタビュー

パタゴニア日本支社 支社長
マーティ・ポンフレー インタビュー[前編]
[ニッポンの社長、イマを斬る。]

2022.11.24

写真・図版

アウトドア企業のパタゴニアは先ごろ全株式を環境系のNPOと信託会社に譲渡すると発表した。ビジネスと地球、両輪のバランスを取る方法について、また、自社の未来についてマーティ・ポンフレー日本支社長に語ってもらった。

パタゴニアの株主は地球。
資本主義を覆したい

10月だというのに30℃を超えた日、パタゴニアのサテライトオフィスを訪れた。『社員をサーフィンに行かせよう』という書籍を持つ企業だけあり、位置するのはサーファーたちでにぎわう鎌倉は由比ヶ浜付近だ。Tシャツ姿で出迎えたマーティ・ポンフレー日本支社長は「海の中で社員に遭遇することも珍しくはないね」と笑った。

2019年に現職に就任した。環境保護を掲げる企業は少なくないが、パタゴニアのそれはビジネスありきではなく、環境ありきのビジネスと言っても過言ではない。コストを度外視し100%オーガニックコットンにシフトしたのは20年以上前のことで、環境配慮は年月を重ねるごとに進化してきた。

「とはいえ、アパレルそれ自体が環境へのインパクトが大きい産業だからね。残念なことに、われわれ自身もこの問題に関与している。だからこそ、地球のリソースを守るための責任がある。環境への悪影響を最小限にとどめる素材を選択し、リペアや中古品の再販売で製品が長持ちする仕組みを作ってきた。もちろん、痛みを伴う判断に直面することもあるよ。製品に拭い難いマイナス要素が見つかった場合はどうするのか? 仮にベストセラーだったとしても環境負荷の低い素材での代用が見つからないとなれば、販売停止を辞さない姿勢でやってきたんだ」


パタゴニアはアパレルの製造販売会社であり、映画製作会社でもあり、食品を販売する企業でもある。そのどれもが地球に根差した活動をモットーとする。例えば、オーガニックフードの『パタゴニア プロビジョンズ』では土壌を修復し再成する農業の在り方を提案している。

「目指すのは循環性のあるビジネスだ。今まで誰も考えたことのないような資本主義の形があるはずだと考えている」

本年9月には創業者イヴォン・シュイナードが全株式を環境関連のNPOと信託に譲渡する電撃発表をしたばかり。「要するに、パタゴニアの所有権は地球になったということなんだ」。鯉が泳ぐ滑なめり川かわを渡り、鎌倉の街をそぞろ歩き、日本のトップはそう語った。

次ページ環境と利益、2つのハットを同時にかぶる

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