週末の過ごし方
『ウェンズデー』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #38
2022.12.22
『シザーハンズ』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で知られる鬼才ティム・バートンが、ついにドラマシリーズに降臨!
記念すべき初監督ドラマ作品は、「ティム・バートン以外考えられない!」と言いたくなるほど世界観がマッチする映画『アダムス・ファミリー』から、見る者すべてを萎縮させてしまうほど強い眼力を持つ、アダムス家の長女・ウェンズデーを主人公に描いた謎解きホラーミステリー。しかもまだ幼かったあのウェンズデーが、ティーンになって学園生活を謳歌(おうか)する?というのだから……、不安でしかない!
「弟を拷問していいのはわたしだけ」と、弟をいじめた生徒への復讐に、プールにあるものをぶちまけたことにより退学になったウェンズデー。転校した先は、母モーティシア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と父ゴメズ(ルイス・ガスマン)がかつて通っていた、ネヴァーモア学園。ネヴァーモアは、吸血鬼や人狼、セイレーンやゴルゴンなど、人間ではない“のけ者”たちが集まる特殊な寄宿学校。初めて親元を離れ、寮生活をしなくてはならない。
黒と白しか受け付けないウェンズデーとルームメイトになったのは、部屋中ポップなアイテムで埋め尽くした人狼のイーニッド。寮生活初日からなんとしてもこの場から脱出しなければと、確信するウェンズデーだった……。
頑固で、偏執的、冷酷さ極まりないウェンズデー。集団生活となるとその異色さは際立ってゆくばかり。のけ者のなかでも常に強烈な個性を見せつけ、周りを翻弄してゆく。しかし言い方を変えれば、“芯の通った意志の強い女の子”。そんなウェンズデーに恋をしてしまう生徒も現れたり……。数々の映画やドラマで描かれてきたことだが、ミステリアスな女性は、どこか魅力的なのだ。そんなのけ者たちの恋模様を、学園ドラマのように楽しめるのも見どころのひとつ。
ウェンズデーには、目の前にいる人物の過去の行動が見える“幻視”という能力がある。まだ不安定ではあるが、学校付近で起きた“連続猟奇殺人”の手がかりをつかむ要素となる。
そして映画『アダムス・ファミリー』でも強烈な存在感を発揮していたあの「ハンド」も登場し、ウェンズデーの謎解きを、その名のとおり手助けしてくれるのだ。