カジュアルウェア
帽子の裏歴史と意外と語られないコーディネートの基本
ファッショントレンドスナップ171
2023.01.31
初心者向けソフトハットのかぶり方の基本その1は、ソフトハットの色を服の色と近いものにすること。この季節なら、ジェントルマンのようにコートの色とソフトハットの色を合わせることで、すべてが一体化してスマートに見えます。こうすると「新品の帽子がやたら目立って恥ずかしい」といった初心者にありがちなモヤモヤがかなり解消できます。
基本その2は、ブリム(帽子のつば)はあまり広いものは避けるということ。どうしても、ブリムが広くなればなるほど帽子が強く主張してきますから。ソフトハットのかぶり方の見本とも言えるような、映画はどちらかといえばこの幅広タイプが多く、年配のファッション関係者はこうした名画に出るようなタイプを推していますが、顔の彫りが浅い日本人には同じようにはなかなかいかないのが現実。
もちろん、日本人でもブリムが広いソフトハットを粋にかぶっている人はいますが帽子歴10年以上のベテランばかりで、熟練が必要です。
次は初心者には、実際どんなソフトハットがいいの?というお悩みにお答えしたいと思います。欧米では、ソフトハットといえばイタリアのボルサリーノと言われるほど有名で、日本でもファンがたくさんいます。ただし、新品の定番を買おうとするとお値段は4万0700円から(公式オンラインストアの価格より)で、「いくら名品といっても、いきなり初心者がそこに手を出していいの?」と思う方もいらっしゃると思います。
私の今までの経験や友人を見ていると、手頃なものを買うとかぶる回数がだんだん減ってしまい、気がつくとタンスの上でホコリをかぶっているということになりがちなのです。名品を手に入れれば「ボルサリーノを買ったからには、かぶらないと!」と帽子が背中を押してくれ、かぶる回数も自ずと増えてくるはず。
メガネと同じで使う頻度が多くなれば自然と慣れてきて、照れもなくなり顔の一部としてなじんでいき、お出かけのよき相棒となるはずです。
Photograph & Text:Yoichi Onishi