カジュアルウェア
ユニクロのダウンベストのキャラ変!
カジュアルだけではなくビジネスでも使える裏技公開。
ファッショントレンドスナップ172
2023.02.06
現在のダウンジャケットのルーツをたどると、1920年代にエベレスト登山用に開発されたコートの逸話がよく取り上げられています。1936年には、アメリカのエディー・バウアーがキルティング加工をした現在のものに近いデザインのものを商品化、後にさまざまなアウトドアブランドから目的やシーンに合ったダウンウエアが発表されていきます。
今では温暖な都会やウインターリゾートでファッションとして着られるようにもなり、色やデザインのバリエーションが激増。
日本では、70年代にアメリカのファッションがポパイやメンズクラブといった雑誌で取り上げられると、ダウンウエアはトレンドアイテムになり、街着として広まっていきました。当時は、夏はサーフィン、冬はスキーが若者の憧れのライフスタイルで、実際にそうしたスポーツをしない人までが、それらしい格好をして街に繰り出していました。
気が付くともう50年近く経ちその愛用者は広がり、ダウンジャケットやダウンベストで検索すると、幅広い年齢で性別の区別なく愛用しているのが見て取れます。ただ、スポーティーでカジュアルなコーディネートが多いようです。
そうなってしまう一因は、表の生地がナイロンなどの化繊の機能素材が使われているのと、あの独特のモコモコしたかわいいシルエット、スポーツ由来のデザインが原因しているのではないかと思います。(注)もちろん、ウールやコットンを使ったテーラードデザインのものもあります。
またまた、前置きが長くなりましたが、今回はカジュアル系アイテムとして浸透しているダウンベストを、ビジネスシーンや休日におしゃれして出かけたいときに使えるコーディネートをピックアップしてみました。
今回のジェントルマンは、日本でも人気の高いダウンベストを着てご登場。このジェントルマンの左胸には、フランスの国鳥である雄鶏とブランドの頭文字Mを図案化したロゴマークのワッペンがついているので、ブランドはモンクレール。
このブランドは、1968年の冬季オリンピックでフランスのアルペンスキーチームのウエアに採用されたことを機にブレーク。ただし当時は、スキー選手やガチでスキーをしているアマチュアなどが中心で、今のようなファッションとしての盛り上がりはありませんでした。
日本では、2000年以降に雑誌レオンが、イタリアのストリートスナップなどをもとに、ちょいワルコーディネートのマストアイテムとして提案し大ブレーク。当時からよく提案されていたのが、スナップのジェントルマンのようなジャケパンの上にダウンベストを合わせるという技。日本では、薄手のダウンベストをジャケットの下に着ているスナップをよく見かけますが、個人的にはイタリア式のほうが好みです。
なぜなら、オフィスからちょっとランチに行くときにサッとはおれるし、バスや電車で通勤のときは、コンパクトにたたんでバッグにしまっておけばかさばらず、体温調整も簡単にできるから。
ジェントルマンのコーディネートで、見落としてはいけないポイントがあります。
それは、ダウンベストとジャケットの色めをなるべく近い色にそろえること。ジェントルマンはネイビー×ライトブルーのチェックジャケットにネイビーのダウンベストを合わせることで、上半身をうまくなじませています。超基本的なテクニックですが、お忘れなく。
今回は、ダウンベストをビジネスで使いたいという方におすすめめなのが、ユニクロのウルトラライトダウンベスト。今さらと思っている方は多いかもしれませんが、これをジェントルマンのように着ている人はまだまだ少数派、その新鮮な組み合わせは今が旬。昨今のニューノーマル化したビジネスシーンにピッタリはまるはずです。
ユニクロのウルトラライトダウンベストには、標準仕様とワイドキルト仕様の2種類があるのですが、ワイドキルトのほうがジャケットやスーツとの相性がよさそうです。個人的な見解ですが、キルティング数が増えたり細かくなると、カジュアルでスポーティーなイメージが強くなるので、ビジネスシーンで着るにはちょっと不向きなような気がします。(注)逆にインナーとして着るときはキルティング数が多く、薄手のものがベストです。
王道のジャケパンスタイルにユニクロのウルトラライトダウンベスト(ワイドキルト)をコーディネートしたのがこちら。今回使っているのは、ネイビージャケットに合わせてブルーにしていますが、グレーのジャケットやスーツのときは、ブラックのほうがマッチすると思います。
ネクタイをした王道ビジネススタイルに、ダウンベストを着ても違和感ないと思うのですが、いかがでしょうか?
最初は、ちょっと戸惑うかもしれませんが、コートやダウンジャケットをはおるのとは違う、スタイリングの抜け感と着脱の手軽さは、きっと病みつきになるはずです。