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『ビリオンズ』
いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #41

2023.02.09

『ビリオンズ』<br>いま観るべき、おしゃれな海外ドラマとは? #41

このなかに悪者はいるのか?

視聴者は、どちらの味方になるか考えながら物語を観進めていくだろう。数多くの作品は、大金持ちを悪者に描きがちだが、なぜだかボビーは憎めない存在なのだ。人材の育成術にたけていて、アックス社の社員はみな、ボビーを崇拝している者ばかり。そのカリスマ性は、観ているこちら側すらもコントロールされてしまうほど、説得力がある。

経営者にとって必ず必要な存在、“二番手”も、彼にとっては重要な人材。時には汚れ仕事も任される二番手だが、ボビーのために率先して汚れ役を買って出るほどまでに育て上げている。

一方でチャックは、正義感だけで行動しているというよりは、底知れぬ嫉妬心がそうさせているのでは?という場面が多く見られる。身内が絡めば見逃したり、妻すらも利用しようとしたり、汚いやり方をしてでも検挙することに必死な姿がどうにも悪者に見えてくることがある。

ドラマだからこそできる細かな人物描写を観れば観るほど、何が善で、何が悪なのかわからなくなってくる。もし自分が同じ立場だったらどうする?と社会人として考えさせられる場面ばかりだ。

『ビリオンズ』はNetflixにて現在シーズン5まで配信中。ニューヨーク・タイムズの金融コラムリストを監修に迎えた、本格的でスリリングな金融ドラマ。これを観れば、仕事へのモチベーションが上がること間違いなし!?

<<過去の「いま観るべき、おしゃれな海外ドラマ」はこちら

Text:Jun Ayukawa
Illustration:Mai Endo

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