カジュアルウェア
ドレスアップが復活!?
ビームスが推すジャケットスタイルのキーポイントはここ。
ファッショントレンドスナップ176
2023.03.09
今年の春は、3年あまり続いたビジネスの急激なカジュアル化からくる揺り戻しが、ピークになる予感がしています。
それに5月ごろに新しいフェーズに入るコロナ対策事情を考えると、対面での重要会議とか得意先に営業といった機会がグッと増えてくるはず。そうなると「ドレスアップしなきゃ」とか「好感度が上がるからネクタイしよう」となるのは間違いないでしょう。
そんな状況が予想されるなか、見直されているのがジャケパン。スーツよりリラックス感があり、ノータイでもコーディネートが決まるゆえに、改めて見直されているようです。
今回ご登場いただいたのは、ビームスが推しているナポリの仕立て屋アルフォンソ・シリカの2代目のファビオ・シリカさん。なんと、6歳くらいから工房に出入りしていて、夏休みになると針を持って手伝いをしていたという生え抜きの職人。
ナポリは高級な仕立て屋、世界的に有名なサルト(仕立て職人)の街として有名ですが、どこも後継者不足でナポリ独特の技術の継承が危ぶまれているとか。そんな状況のなか、彼は将来ナポリ仕立てを背負って立つ逸材になるとうわさされているひとりだったのです。
というわけで、来日したときにスナップさせていただいたのですが、ジャケパンにビンテージ調の柄のネクタイでビシっとコーディネート。
よく見ると、襟の開きが狭く、ネクタイが独特の盛り上がり方をするタブカラーシャツを着ています。これも近年人気が高まっているドレスアイテム。
全身はこのような感じですが、従来のナポリのクラシックスタイルにはあまり感じられなかった、さわやかでモダンな雰囲気が漂っています。
違いは、クラシックなナポリスタイルだとジャケットはネイビー系が鉄則だったのですが、彼がチョイスしたのは少し光沢感のあるミディアムグレーのジャケット。着丈は、今まで私が見てきたナポリのジャケットのなかでもかなり短め。シャツやネクタイの選び方は、トレンドを意識して選んでいるのがわかります。
日本でもファビオ・シリカさんのような、イタリア流の新クラシックスタイルの自撮りをして、SNSにアップするビジネスマンやセレクトショップのスタッフが増えてきている感じがするのですが……これって、私のひいき目でしょうか?