接待と手土産
「大寅蒲鉾」の大寅セット
すべて実食! 自慢の手土産 #108
2023.03.10
おいしいものを作るためには妥協しない大阪かまぼこの神髄。
「生の魚を使うことをやめたら、絶対あかん」と、「大寅蒲鉾」4代目・市川知明さんの娘にあたる小高さんは、ゆっくりと柔らかい関西弁で、でもきっぱりと言い切る。大阪かまぼこにとって最も重要な素材は鱧(はも)。社長自ら市場に出向いて新鮮な鱧やグチを仕入れるが、特に鱧については最高級の真鱧だけを扱う。熟練の職人が丁寧にさばき、最初に取れる「一番身」だけを使う。
すり身づくりにおいては、昔ながらの御影石の石臼を使用。石の表面の微妙な凹凸が、きめの細かさとつややかさを生むのだそうだ。手の感触を頼りに水分や空気の含み具合を調整する。それをちょうどよい弾力に整えて板に載せ、焼き上げを見守るのも職人だ。細かなことを上げればまだまだあるが、「つくるも売るも買う心」という2代目の言葉を肝に銘じながら、お客様の気持ちになって、おいしいかまぼこを作り、売ることを続けているのだ。